千葉県の松戸市教育委員会は市立小中学校全65校の黒板で使用するチョークについて、来年度から色弱の子供も色を識別しやすい「色覚チョーク」に一本化する方針を決めた。
色弱者の立場から様々な製品を対象に検証を行っているNPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構」(東京都千代田区)は「色覚チョークを全面的に導入するのは全国的にも珍しい」としている。
同NPOによると、色弱は色を感知する細胞に原因があり、赤、緑、茶といった色が同じような色に見えたり、淡いピンクがグレーや白に見えたりする。先天性の色弱者の比率は男性が約5%、女性が約0・2%とされ、色弱の子供は学校で黒板のチョークが見えづらく悩んでいるケースも多い。
これを解消するために開発されたのが、色弱者にも識別しやすい色覚チョークだ。特殊な素材を使うことで一般のチョークより色がクリアに見えるのが特徴で、市教委は試行的に今年度、学校が文房具などを共同購入する際の用品リストに、一般のチョークだけでなく色覚チョークも加えた。
その結果、色覚チョークを購入した学校から「以前より文字が明るくなり、図形の輪郭がはっきりするようになった。児童や生徒からも好評」などの報告があったという。このため市教委は来年度から、色覚チョークだけをリストに入れる方針を決定。共同購入とは別に、各校が個別購入する際にも薦めるといい、市教委は「すべての子供が安心して学べる教育が行われるようにしたい」としている。
文部科学省は「赤、緑、青、茶など暗い色のチョークを使用すると見えにくいため、避けるようにする」とし、白と黄の2色のみを使うよう求めている。ただ、実際には学校によってまちまちなのが現状といい、同NPOは「色覚チョークであれば色弱の子供を含めたすべての児童、生徒が見やすくなるだけでなく、先生も白と黄色以外のチョークを気兼ねなく使えることになり、学習環境の向上につながる」としている。
2017年12月15日 07時29分
YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171214-OYT1T50039.html
色弱者の立場から様々な製品を対象に検証を行っているNPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構」(東京都千代田区)は「色覚チョークを全面的に導入するのは全国的にも珍しい」としている。
同NPOによると、色弱は色を感知する細胞に原因があり、赤、緑、茶といった色が同じような色に見えたり、淡いピンクがグレーや白に見えたりする。先天性の色弱者の比率は男性が約5%、女性が約0・2%とされ、色弱の子供は学校で黒板のチョークが見えづらく悩んでいるケースも多い。
これを解消するために開発されたのが、色弱者にも識別しやすい色覚チョークだ。特殊な素材を使うことで一般のチョークより色がクリアに見えるのが特徴で、市教委は試行的に今年度、学校が文房具などを共同購入する際の用品リストに、一般のチョークだけでなく色覚チョークも加えた。
その結果、色覚チョークを購入した学校から「以前より文字が明るくなり、図形の輪郭がはっきりするようになった。児童や生徒からも好評」などの報告があったという。このため市教委は来年度から、色覚チョークだけをリストに入れる方針を決定。共同購入とは別に、各校が個別購入する際にも薦めるといい、市教委は「すべての子供が安心して学べる教育が行われるようにしたい」としている。
文部科学省は「赤、緑、青、茶など暗い色のチョークを使用すると見えにくいため、避けるようにする」とし、白と黄の2色のみを使うよう求めている。ただ、実際には学校によってまちまちなのが現状といい、同NPOは「色覚チョークであれば色弱の子供を含めたすべての児童、生徒が見やすくなるだけでなく、先生も白と黄色以外のチョークを気兼ねなく使えることになり、学習環境の向上につながる」としている。
2017年12月15日 07時29分
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