神奈川県横須賀市が、陸海空すべての自衛隊の基地や駐屯地が所在するという全国でも珍しい立地を生かし、ふるさと納税の返礼品に自衛隊関連グッズを積極的に導入している。
10月からは、これまでの3倍を超える28品を用意。オリジナルグッズも充実させる方針で、「軍港の街」として発展した歴史もPRしながら、税収アップを目指す二正面作戦を展開している。
横須賀市は昨年度、ふるさと納税1万円あたり40ポイント、それ以上は1000円ごとに4ポイントを付与するポイント制度を始めた。こうした取り組みが功を奏し、2015年度に3088万円(2154件)だった寄付額は、昨年度4717万円(1054件)に増加。今年度も11月末現在で2137万円(829件)に達している。
中でも自衛隊関連グッズの人気が高い。潜水艦部隊の濃厚味わいカレー、護衛艦「きりしま」のポークカレー、同「ひゅうが」のビーフカレー、南極観測船「しらせ」のシーフードカレーの缶詰が1個ずつ入った「海上自衛隊カレー4個セット」(40ポイント)は昨年度に33件、今年度も19件の申し込みがあった。
反響を受け、市は16年度は全165品中8品だった自衛隊関連グッズを大幅に増やした。新たな返礼品「潜水艦ボールペン」(16ポイント)には5件、「イージス艦『きりしま』チョロQ」(24ポイント)、「手帳型スマートフォンケース」(36ポイント)にそれぞれ3件の希望があったという。グッズは地元企業が手掛けたもので、市は今後も品ぞろえを増やして市内産業の振興につなげたい考えだ。
◇ ◇ ◇
横須賀市内の基地などには、陸自約3500人、海自約7600人、空自約100人の隊員が所属している。長期的な人口減少が課題となっている市にとっても、家族とともに市民になってくれる自衛隊員は重要だ。このため、市は11月、大規模災害時に派遣される隊員の家族を支援する協定を自衛隊と締結。良好な関係づくりを進めている。
特に海自は市の街おこしにとっても欠かせない存在となっている。旧日本海軍時代に完成したというカレーは海自にも継承されている。市内の飲食店15店舗は、海自の艦艇や部隊の担当者から秘伝のレシピを授かり、それぞれ1〜2種類、計17種類のカレーを販売している。「海軍カレー」とともに「カレーの街 横須賀」の名物に育った。米海軍と海自艦艇が間近で見られるご当地クルーズ「軍港めぐり」も観光客に人気だ。
海自横須賀地方総監の道満誠一海将は「横須賀のみならず、グッズを入手した方々にも喜んでいただければうれしい」とし、「今後も、市と緊密な協力関係を続けたい」としている。(光尾豊)
2017年12月30日 10時42分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171229-OYT1T50097.html
画像
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20171229/20171229-OYT1I50038-L.jpg
10月からは、これまでの3倍を超える28品を用意。オリジナルグッズも充実させる方針で、「軍港の街」として発展した歴史もPRしながら、税収アップを目指す二正面作戦を展開している。
横須賀市は昨年度、ふるさと納税1万円あたり40ポイント、それ以上は1000円ごとに4ポイントを付与するポイント制度を始めた。こうした取り組みが功を奏し、2015年度に3088万円(2154件)だった寄付額は、昨年度4717万円(1054件)に増加。今年度も11月末現在で2137万円(829件)に達している。
中でも自衛隊関連グッズの人気が高い。潜水艦部隊の濃厚味わいカレー、護衛艦「きりしま」のポークカレー、同「ひゅうが」のビーフカレー、南極観測船「しらせ」のシーフードカレーの缶詰が1個ずつ入った「海上自衛隊カレー4個セット」(40ポイント)は昨年度に33件、今年度も19件の申し込みがあった。
反響を受け、市は16年度は全165品中8品だった自衛隊関連グッズを大幅に増やした。新たな返礼品「潜水艦ボールペン」(16ポイント)には5件、「イージス艦『きりしま』チョロQ」(24ポイント)、「手帳型スマートフォンケース」(36ポイント)にそれぞれ3件の希望があったという。グッズは地元企業が手掛けたもので、市は今後も品ぞろえを増やして市内産業の振興につなげたい考えだ。
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横須賀市内の基地などには、陸自約3500人、海自約7600人、空自約100人の隊員が所属している。長期的な人口減少が課題となっている市にとっても、家族とともに市民になってくれる自衛隊員は重要だ。このため、市は11月、大規模災害時に派遣される隊員の家族を支援する協定を自衛隊と締結。良好な関係づくりを進めている。
特に海自は市の街おこしにとっても欠かせない存在となっている。旧日本海軍時代に完成したというカレーは海自にも継承されている。市内の飲食店15店舗は、海自の艦艇や部隊の担当者から秘伝のレシピを授かり、それぞれ1〜2種類、計17種類のカレーを販売している。「海軍カレー」とともに「カレーの街 横須賀」の名物に育った。米海軍と海自艦艇が間近で見られるご当地クルーズ「軍港めぐり」も観光客に人気だ。
海自横須賀地方総監の道満誠一海将は「横須賀のみならず、グッズを入手した方々にも喜んでいただければうれしい」とし、「今後も、市と緊密な協力関係を続けたい」としている。(光尾豊)
2017年12月30日 10時42分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171229-OYT1T50097.html
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