http://www.afpbb.com/articles/-/3162265?cx_position=53
2018年2月18日 9:00 発信地:パリ/フランス
【2月18日 AFP】フランスはここ数十年、毎年11月になると、「ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)」を日本に数百万本輸出してきた。日本ではその到着を祝い、このフルーティーな赤ワインの新酒で満たされた浴槽に漬かる人もいるほどだ。しかし日本の酒造メーカーは今、日本酒の新酒をフランスに輸出することでそうした流れを変えたいと意気込んでいる。
ワイン鑑定士は、まだ青いバナナの香りがするボージョレを鼻であしらう傾向があるが、フランスに届けられる日本酒の新酒は、知る人ぞ知る日本の伝統の一つだと、日本酒の輸出推進派は主張する。
日本酒に大きな関心を寄せているフランスの有名シェフ十数人は今月、新酒を自身のメニューに取り入れ、料理とともに提供し、調味料としても使用している。
パリのレストラン「メゾン・デュ・サケ(Maison du Sake)」のオーナー、ユーリン・リー(Youlin Ly)氏はAFPの取材に対し、「搾りたての日本酒は低温殺菌されていないため、瓶詰めされた後は6週間程度しか持ちません。でも標準的な日本酒よりもはるかにコクがあり、味わい、香りも豊かなのです」と語る。
リーさんは、「日本酒の仕込みが冬に行われるのは、発酵を調整するため低温を維持する必要があるから。そうして造られる最初の酒は1〜2月に熟成します」と続けた。
レストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で星を獲得している、フュージョン料理で有名なウィリアム・ルドゥイユ(William Ledeuil)シェフは、牛肉とフォアグラを使った一品にも新酒を使用し、シトロン(レモンに似た果実)とユズ、レモングラスで香り付けしたブイヨンにも加えている。
パリでレストランを経営している同氏は、「スープを入れた鍋にほんの少し垂らしたりもします。昔の農民たちがワインを使ってやっていたように」と説明した。
■ワインのように飲まれることを意識した新世代の日本酒
リー氏は、「日本人の大半は、残念ながら日本酒にそれほど詳しいわけではありません。新酒となると、詳しい人はもっと少ない。でも今は、実にさまざまな方法で酒造りを行う世代が生まれ、そうした若い生産者に対する関心が非常に高まってきています」と話す。
「伝統的な日本酒といえば、料理の邪魔をしない味が求められました。一般的に香りはそれほど強くないか、まったくないか。後味もそんなに引かないものだったりしました」(リー氏)
しかし、そうした特徴にも変化が出始めているという。「新酒や現代的な日本酒は、伝統的なものに比べて香りがはるかに強く、ワインのように飲まれることをかなり意識して造られています」とリーさんは語る。
現在のところ、フランスに輸出されている新酒は、山口県岩国市で製造されている「獺祭(Dassai)」のみだが、来年は少なくともさらに10銘柄を輸入したいとリーさん。
「フランスではこの5年間、日本酒への関心が非常に高まってきています。販売量はまだ非常に少ないですが(年間約5万本)、年々増加傾向にある」という。フランス国内の大手ワイン専門店も現在、日本酒を置いている。(c)AFP/Fiachra GIBBONS
仏パリのワインショップに並べられた日本酒(2007年9月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / STEPHANE DE SAKUTIN
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2018年2月18日 9:00 発信地:パリ/フランス
【2月18日 AFP】フランスはここ数十年、毎年11月になると、「ボージョレ・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)」を日本に数百万本輸出してきた。日本ではその到着を祝い、このフルーティーな赤ワインの新酒で満たされた浴槽に漬かる人もいるほどだ。しかし日本の酒造メーカーは今、日本酒の新酒をフランスに輸出することでそうした流れを変えたいと意気込んでいる。
ワイン鑑定士は、まだ青いバナナの香りがするボージョレを鼻であしらう傾向があるが、フランスに届けられる日本酒の新酒は、知る人ぞ知る日本の伝統の一つだと、日本酒の輸出推進派は主張する。
日本酒に大きな関心を寄せているフランスの有名シェフ十数人は今月、新酒を自身のメニューに取り入れ、料理とともに提供し、調味料としても使用している。
パリのレストラン「メゾン・デュ・サケ(Maison du Sake)」のオーナー、ユーリン・リー(Youlin Ly)氏はAFPの取材に対し、「搾りたての日本酒は低温殺菌されていないため、瓶詰めされた後は6週間程度しか持ちません。でも標準的な日本酒よりもはるかにコクがあり、味わい、香りも豊かなのです」と語る。
リーさんは、「日本酒の仕込みが冬に行われるのは、発酵を調整するため低温を維持する必要があるから。そうして造られる最初の酒は1〜2月に熟成します」と続けた。
レストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で星を獲得している、フュージョン料理で有名なウィリアム・ルドゥイユ(William Ledeuil)シェフは、牛肉とフォアグラを使った一品にも新酒を使用し、シトロン(レモンに似た果実)とユズ、レモングラスで香り付けしたブイヨンにも加えている。
パリでレストランを経営している同氏は、「スープを入れた鍋にほんの少し垂らしたりもします。昔の農民たちがワインを使ってやっていたように」と説明した。
■ワインのように飲まれることを意識した新世代の日本酒
リー氏は、「日本人の大半は、残念ながら日本酒にそれほど詳しいわけではありません。新酒となると、詳しい人はもっと少ない。でも今は、実にさまざまな方法で酒造りを行う世代が生まれ、そうした若い生産者に対する関心が非常に高まってきています」と話す。
「伝統的な日本酒といえば、料理の邪魔をしない味が求められました。一般的に香りはそれほど強くないか、まったくないか。後味もそんなに引かないものだったりしました」(リー氏)
しかし、そうした特徴にも変化が出始めているという。「新酒や現代的な日本酒は、伝統的なものに比べて香りがはるかに強く、ワインのように飲まれることをかなり意識して造られています」とリーさんは語る。
現在のところ、フランスに輸出されている新酒は、山口県岩国市で製造されている「獺祭(Dassai)」のみだが、来年は少なくともさらに10銘柄を輸入したいとリーさん。
「フランスではこの5年間、日本酒への関心が非常に高まってきています。販売量はまだ非常に少ないですが(年間約5万本)、年々増加傾向にある」という。フランス国内の大手ワイン専門店も現在、日本酒を置いている。(c)AFP/Fiachra GIBBONS
仏パリのワインショップに並べられた日本酒(2007年9月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / STEPHANE DE SAKUTIN
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