0001trick ★2018/08/11(土) 18:56:40.84ID:CAP_USER9
パブリックドメインなら何をしても許されるのか?:「星の王子さま」のケースを検討(追記あり)(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20180809-00092524/
https://pbs.twimg.com/media/DkIjFEVUUAAuuM0.jpg
https://pbs.twimg.com/media/DkIjFDVUcAARqoq.jpg
https://twitter.com/tei_nai/status/1027422498629988353
8/9(木) 12:47
「銀座ソニーパーク"星の王子さま"で荒れ模様」というニュースがありました。銀座ソニービル跡地に開園する銀座ソニーパークで限定販売される「星の王子さま」の"コラボ"商品(バオバブの苗木)が原作の世界観を壊す等としてファンが批判しているというお話です。
本記事では、この問題について知財的な観点から検討してみます。
ご存じの方も多いと思いますが、「星の王子さま」の作者であるサンテグジュペリは1944年に亡くなっていますので、戦時加算を考慮しても「星の王子さま」の日本での著作権保護期間は満了し、パブリックドメインとなっています。有名な表紙絵もサンテグジュペリ作なので同様にパブリックドメインとなっています。
これにより、既に多くの新訳本が出版されています。その中にはオリジナルの表紙絵を使っている物も数多くあります。著作物がパブリックドメイン化されたことで文化の発展に貢献している良い例かと思います。
さて、ここまでは著作財産権の話ですが、著作者人格権(特に同一性保持権)も考慮すると話は変わってきます。
(同一性保持権)
第二十条 第1項
著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
死者に人格権はなく、また、著作者人格権は相続もできませんが、日本の著作権法には以下の規定があり、著作者の死後も著作者人格権は保護されます。
(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護)
第六十条 著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。
ただし、この規定に基づいて権利行使できる人は限られています(一部省略、強調は栗原)。
第百十六条 第1項
著作者又は実演家の死後においては、その遺族(死亡した著作者又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう...)は、当該著作者又は実演家について第六十条...の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第百十二条の請求(栗原注:差止め)(略)をすることができる...
今回のケースに当てはめてみると、オリジナルの「星の王子さま」の表紙絵を改変していることが同一性保持権の侵害にあたるとするならば、(配偶者、父母、祖父母、兄弟姉妹はとっくに亡くなっていると思われますので)サンテグジュペリの孫(または、もし存命であれば子)であれば権利行使は可能です。なお、細かい話ですが、サンテグジュペリが遺言で別の人(典型的には財団)を116条第1項の請求を行なえる者として遺言で指定していた場合でも遺族(孫または子)が存命であることが権利行使の条件です(116条3項)。いずれにせよ、サンテグジュペリの子または孫がいない、または、現時点で存命でない場合には誰も著作者人格権に基づく請求をできる人はいないということになります。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20180809-00092524/
https://pbs.twimg.com/media/DkIjFEVUUAAuuM0.jpg
https://pbs.twimg.com/media/DkIjFDVUcAARqoq.jpg
https://twitter.com/tei_nai/status/1027422498629988353
8/9(木) 12:47
「銀座ソニーパーク"星の王子さま"で荒れ模様」というニュースがありました。銀座ソニービル跡地に開園する銀座ソニーパークで限定販売される「星の王子さま」の"コラボ"商品(バオバブの苗木)が原作の世界観を壊す等としてファンが批判しているというお話です。
本記事では、この問題について知財的な観点から検討してみます。
ご存じの方も多いと思いますが、「星の王子さま」の作者であるサンテグジュペリは1944年に亡くなっていますので、戦時加算を考慮しても「星の王子さま」の日本での著作権保護期間は満了し、パブリックドメインとなっています。有名な表紙絵もサンテグジュペリ作なので同様にパブリックドメインとなっています。
これにより、既に多くの新訳本が出版されています。その中にはオリジナルの表紙絵を使っている物も数多くあります。著作物がパブリックドメイン化されたことで文化の発展に貢献している良い例かと思います。
さて、ここまでは著作財産権の話ですが、著作者人格権(特に同一性保持権)も考慮すると話は変わってきます。
(同一性保持権)
第二十条 第1項
著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
死者に人格権はなく、また、著作者人格権は相続もできませんが、日本の著作権法には以下の規定があり、著作者の死後も著作者人格権は保護されます。
(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護)
第六十条 著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。
ただし、この規定に基づいて権利行使できる人は限られています(一部省略、強調は栗原)。
第百十六条 第1項
著作者又は実演家の死後においては、その遺族(死亡した著作者又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう...)は、当該著作者又は実演家について第六十条...の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第百十二条の請求(栗原注:差止め)(略)をすることができる...
今回のケースに当てはめてみると、オリジナルの「星の王子さま」の表紙絵を改変していることが同一性保持権の侵害にあたるとするならば、(配偶者、父母、祖父母、兄弟姉妹はとっくに亡くなっていると思われますので)サンテグジュペリの孫(または、もし存命であれば子)であれば権利行使は可能です。なお、細かい話ですが、サンテグジュペリが遺言で別の人(典型的には財団)を116条第1項の請求を行なえる者として遺言で指定していた場合でも遺族(孫または子)が存命であることが権利行使の条件です(116条3項)。いずれにせよ、サンテグジュペリの子または孫がいない、または、現時点で存命でない場合には誰も著作者人格権に基づく請求をできる人はいないということになります。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)