0001ガーディス ★2019/08/26(月) 16:47:18.18ID:5d9jcSbi9
2019.8.26 07:00
全国3700カ所に広がった「こども食堂」。コンビニ大手のファミリーマートが始めたこども食堂は始動3カ月で100店舗に達した。その名称や形態は地域によってさまざま。全国の「こども食堂」がめざす緩やかな共通項とは。
「おいしーい」
りりしい制服姿の子どもたちが、ファミチキ(フライドチキン)やおにぎりにかじりつく。ひじきやレンコンの煮付け、麦茶とデザートのプリンもついたメニューに、子どもたちは歓声を上げた。
東京都大田区のファミリーマート雪谷大塚店で7月27日に開かれた「こども食堂」。この日集まったのは、近所に住む幼稚園の年中から小学4年生までの子どもたち13人と保護者たちだ。コンビニ大手のファミリーマートが運営するこども食堂の特徴は、食事を共にするだけでなく、就業体験もできること。ジュニアサイズの店員の制服に着替えると、早速「おしごと体験」が始まった。
バーコードリーダーを商品にかざして「レジ打ち」をする。バックヤードに回って大型冷蔵庫の清涼飲料水を補充する。時には背伸びして、棚に商品を置いていく。店長らの指導を受けながら、子どもたちは真剣な表情で取り組んだ。
全国で「ファミマこども食堂」を展開すると発表したのが今年2月。報道番組でこども食堂の存在を知った澤田貴司社長(62)が、「食材があり、イートインスペースもあり、スタッフもいる。うちでもできるんじゃないか」と発案した。実際に始めたのは5月で、これまで全国約100店舗で開かれた。
各店舗に事前に申し込み、食品のアレルゲンチェックなども行う。参加費用は子ども100円、保護者ら大人が400円。提供する食事は同店の商品を約500円分組み合わせたもので、不足分は同社本部が負担する。
全国約1万6500店舗のうち、約2千店に広めのイートインスペースがある。
「近々、あと20店舗ほどで開催が決まっていますが、数を追い求めているわけではなく、できるところで無理なくやっていただければと考えています。いずれも不定期開催で、評判は上々です」(同社広報)
雪谷大塚店ではこの日が5回目の開催で、早くも地元に定着したイベントになりつつある。常連客への声かけや店内に貼り出したポスターで周知しただけだったが、6月に開催した初回には約60人が詰めかけ、午前と午後の2部制にして対応するなど大盛況だった。2回目も2部制で行い、今回は定員を絞ってゆったりと開催した。
同店を含め5店舗を経営するオーナーの中村七重さん(40)はこう語る。
「アンケートを見ると、『コンビニの内側を見ることができて楽しかった』などおおむね好評です。私たちも常連のお客さまの顔は存じ上げていても会話はほとんどしたことがなかったので、コミュニケーションを取るいい機会にもなっています。幼稚園で一緒だったのに小学校ではバラバラになった子たちがここで再会して喜んでいる姿を見て、そういうつなぎの場になっている嬉しさもあります」
同じ小学校の友だち5人と参加した小学2年生の早川梓希(あずき)さん(7)は「レジ打ちが楽しかった」と満足そう。見守っていた母親も「私自身、2年前に引っ越してきて知り合いもいない中、地域とつなげていただける機会はとてもありがたく感じます。子どもにとっても、キッザニアのような疑似体験学習の場はあっても、本当の就業体験ができる機会は貴重だと思います」と納得の表情だった。
同社の取り組みとは別に、そもそも2012年に東京都大田区で始まったとされる「こども食堂」の定義は「子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂」というざっくりとしたものだ。保護者の手が行き届かず、満足な食事を取れない子どもたちが大勢いることが徐々に明らかになり、各地で増えていった経緯がある。
だから名称も形態もさまざまだ。子どもだけが参加できるものや親の参加も可能なところ、さらに地域住民も自由に参加できて交流拠点となっているところもたくさんある。
全文
https://dot.asahi.com/aera/2019082200080.html
全国3700カ所に広がった「こども食堂」。コンビニ大手のファミリーマートが始めたこども食堂は始動3カ月で100店舗に達した。その名称や形態は地域によってさまざま。全国の「こども食堂」がめざす緩やかな共通項とは。
「おいしーい」
りりしい制服姿の子どもたちが、ファミチキ(フライドチキン)やおにぎりにかじりつく。ひじきやレンコンの煮付け、麦茶とデザートのプリンもついたメニューに、子どもたちは歓声を上げた。
東京都大田区のファミリーマート雪谷大塚店で7月27日に開かれた「こども食堂」。この日集まったのは、近所に住む幼稚園の年中から小学4年生までの子どもたち13人と保護者たちだ。コンビニ大手のファミリーマートが運営するこども食堂の特徴は、食事を共にするだけでなく、就業体験もできること。ジュニアサイズの店員の制服に着替えると、早速「おしごと体験」が始まった。
バーコードリーダーを商品にかざして「レジ打ち」をする。バックヤードに回って大型冷蔵庫の清涼飲料水を補充する。時には背伸びして、棚に商品を置いていく。店長らの指導を受けながら、子どもたちは真剣な表情で取り組んだ。
全国で「ファミマこども食堂」を展開すると発表したのが今年2月。報道番組でこども食堂の存在を知った澤田貴司社長(62)が、「食材があり、イートインスペースもあり、スタッフもいる。うちでもできるんじゃないか」と発案した。実際に始めたのは5月で、これまで全国約100店舗で開かれた。
各店舗に事前に申し込み、食品のアレルゲンチェックなども行う。参加費用は子ども100円、保護者ら大人が400円。提供する食事は同店の商品を約500円分組み合わせたもので、不足分は同社本部が負担する。
全国約1万6500店舗のうち、約2千店に広めのイートインスペースがある。
「近々、あと20店舗ほどで開催が決まっていますが、数を追い求めているわけではなく、できるところで無理なくやっていただければと考えています。いずれも不定期開催で、評判は上々です」(同社広報)
雪谷大塚店ではこの日が5回目の開催で、早くも地元に定着したイベントになりつつある。常連客への声かけや店内に貼り出したポスターで周知しただけだったが、6月に開催した初回には約60人が詰めかけ、午前と午後の2部制にして対応するなど大盛況だった。2回目も2部制で行い、今回は定員を絞ってゆったりと開催した。
同店を含め5店舗を経営するオーナーの中村七重さん(40)はこう語る。
「アンケートを見ると、『コンビニの内側を見ることができて楽しかった』などおおむね好評です。私たちも常連のお客さまの顔は存じ上げていても会話はほとんどしたことがなかったので、コミュニケーションを取るいい機会にもなっています。幼稚園で一緒だったのに小学校ではバラバラになった子たちがここで再会して喜んでいる姿を見て、そういうつなぎの場になっている嬉しさもあります」
同じ小学校の友だち5人と参加した小学2年生の早川梓希(あずき)さん(7)は「レジ打ちが楽しかった」と満足そう。見守っていた母親も「私自身、2年前に引っ越してきて知り合いもいない中、地域とつなげていただける機会はとてもありがたく感じます。子どもにとっても、キッザニアのような疑似体験学習の場はあっても、本当の就業体験ができる機会は貴重だと思います」と納得の表情だった。
同社の取り組みとは別に、そもそも2012年に東京都大田区で始まったとされる「こども食堂」の定義は「子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂」というざっくりとしたものだ。保護者の手が行き届かず、満足な食事を取れない子どもたちが大勢いることが徐々に明らかになり、各地で増えていった経緯がある。
だから名称も形態もさまざまだ。子どもだけが参加できるものや親の参加も可能なところ、さらに地域住民も自由に参加できて交流拠点となっているところもたくさんある。
全文
https://dot.asahi.com/aera/2019082200080.html