0001つつじヶ丘の総理大臣 ★2020/01/07(火) 16:53:05.66ID:DbrR3hEE9
2020/1/7 13:11
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/573765/
「カラスの群れを追い払えず困っている。うちの牛を傷つけることもあるんです」。
「行政も助けてくれない。もうお手上げです」。
現場を訪ねてみて、ぎょっとした。牛舎裏の林の上空をカラスの群れが舞う。50羽くらいか。
「これは少ない方。数百羽で空一面が真っ黒になる日もある」と男性が教えてくれた。
数年前から昼時になると、方々から群れが集まるようになった。人のいない隙を狙い牛舎に侵入する。
窓に釣り糸やネットを張って妨害してもどこからか忍び込み、牛の餌や水をついばむのだという。
カラスは肉も好む。牛のお産があると血のにおいを嗅ぎつけ、胎盤などを狙いに来る。
生後間もない子牛が毛をむしられたり、親牛が背を突かれて出血したりしたこともあった。
さらに被害がひどいという近くの農家で、物陰から牛舎の様子を見せてもらった。
電線には「見張り役」とおぼしき数羽がいる。
休憩時間に従業員が立ち去った途端、10羽ほどが立て続けに入った。弱った牛の背に平気で飛び乗る。
この牛舎では数年前、開腹手術をした直後の牛が患部を突かれ、約20センチの傷が全開。
縫合し直したが死んでしまったという。
「珍しいことではない」と、農家向けの損害保険を扱う県農業共済組合(広島市東区)。
カラス被害の相談は毎年、複数の畜産農家から寄せられる。
牛が乳房の静脈を突かれて失血死したり、傷口から細菌が入って殺処分したりした事例もある。
農家はレーザーポインターや爆音機で驚かせるなどして応戦するが「これが効く、という話は聞いたことがない」そうだ。
「非常に頭がいい鳥ですから」。東都大(千葉市)の杉田昭栄教授(67)=解剖学=は指摘する。
カラスは他の鳥に比べて大脳の発達が著しく、体重に対する脳の割合は犬よりも大きい。
「人の顔や色彩、物の数などを識別し、それらの情報を少なくとも1年間は記憶する能力がある」
それだけに鳥よけの仕掛けは、脅しと見破られるとすぐに効かなくなる。
しかもカラスの行動範囲は半径4〜5キロと広く、畜舎をはしごする群れもあるという。
杉田教授は「農家ごとに違う仕掛けを打つなど、広域な視点での対策が必要」と指摘する。
とはいえ、農家だけで立ち向かうには限界がある。
多くは高齢でしかも少人数で切り盛りしているし、少々の仕掛けでは太刀打ちできない。
声を寄せてくれた男性もたまりかねて地元の役場に駆除を頼んだ。
が、返ってきた答えは「近くに民家があるため銃が使えない。自分で対策してもらうしかない」。
この自治体にはカラス対策の費用を支援する制度もないという。
これに対し、杉田教授は「畜舎をカラスから守ることは、地域全体のカラス対策にもつながる」と強調する。
農作物が減る冬場は畜舎が貴重な餌場になり得る。
だからこそ畜舎を徹底防備すれば「兵糧攻め」になり、ゆくゆくは個体数減が見込め、他の農作物被害も減らせるとみる。
「行政もそこに着眼し、畜産農家の指導や支援に当たってほしい」
北海道によると、道内のカラスによる牛関連の被害額は年1億5千万円超で、有害鳥獣として年4万〜5万羽を駆除している。
一方、広島県は畜産への被害額すらまとめていない。駆除数も年1500〜2千羽ほどだ。
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/573765/
「カラスの群れを追い払えず困っている。うちの牛を傷つけることもあるんです」。
「行政も助けてくれない。もうお手上げです」。
現場を訪ねてみて、ぎょっとした。牛舎裏の林の上空をカラスの群れが舞う。50羽くらいか。
「これは少ない方。数百羽で空一面が真っ黒になる日もある」と男性が教えてくれた。
数年前から昼時になると、方々から群れが集まるようになった。人のいない隙を狙い牛舎に侵入する。
窓に釣り糸やネットを張って妨害してもどこからか忍び込み、牛の餌や水をついばむのだという。
カラスは肉も好む。牛のお産があると血のにおいを嗅ぎつけ、胎盤などを狙いに来る。
生後間もない子牛が毛をむしられたり、親牛が背を突かれて出血したりしたこともあった。
さらに被害がひどいという近くの農家で、物陰から牛舎の様子を見せてもらった。
電線には「見張り役」とおぼしき数羽がいる。
休憩時間に従業員が立ち去った途端、10羽ほどが立て続けに入った。弱った牛の背に平気で飛び乗る。
この牛舎では数年前、開腹手術をした直後の牛が患部を突かれ、約20センチの傷が全開。
縫合し直したが死んでしまったという。
「珍しいことではない」と、農家向けの損害保険を扱う県農業共済組合(広島市東区)。
カラス被害の相談は毎年、複数の畜産農家から寄せられる。
牛が乳房の静脈を突かれて失血死したり、傷口から細菌が入って殺処分したりした事例もある。
農家はレーザーポインターや爆音機で驚かせるなどして応戦するが「これが効く、という話は聞いたことがない」そうだ。
「非常に頭がいい鳥ですから」。東都大(千葉市)の杉田昭栄教授(67)=解剖学=は指摘する。
カラスは他の鳥に比べて大脳の発達が著しく、体重に対する脳の割合は犬よりも大きい。
「人の顔や色彩、物の数などを識別し、それらの情報を少なくとも1年間は記憶する能力がある」
それだけに鳥よけの仕掛けは、脅しと見破られるとすぐに効かなくなる。
しかもカラスの行動範囲は半径4〜5キロと広く、畜舎をはしごする群れもあるという。
杉田教授は「農家ごとに違う仕掛けを打つなど、広域な視点での対策が必要」と指摘する。
とはいえ、農家だけで立ち向かうには限界がある。
多くは高齢でしかも少人数で切り盛りしているし、少々の仕掛けでは太刀打ちできない。
声を寄せてくれた男性もたまりかねて地元の役場に駆除を頼んだ。
が、返ってきた答えは「近くに民家があるため銃が使えない。自分で対策してもらうしかない」。
この自治体にはカラス対策の費用を支援する制度もないという。
これに対し、杉田教授は「畜舎をカラスから守ることは、地域全体のカラス対策にもつながる」と強調する。
農作物が減る冬場は畜舎が貴重な餌場になり得る。
だからこそ畜舎を徹底防備すれば「兵糧攻め」になり、ゆくゆくは個体数減が見込め、他の農作物被害も減らせるとみる。
「行政もそこに着眼し、畜産農家の指導や支援に当たってほしい」
北海道によると、道内のカラスによる牛関連の被害額は年1億5千万円超で、有害鳥獣として年4万〜5万羽を駆除している。
一方、広島県は畜産への被害額すらまとめていない。駆除数も年1500〜2千羽ほどだ。