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自殺現場にスマホを向ける行為に葬儀屋が怒る理由「萎縮せず怒って」「遺体の扱い、社会の基本的なルール」
社会2020.01.10
今月6日正午過ぎ、東京都・新宿駅の付近で30代の男性が自殺を図った。病院に搬送された男性は、死亡が確認されたという。
現場は人通りが多い場所であったためか、現場に居合わせた人々が様子を撮影しTwitterなどへの投稿が相次いだ。現場にかけつけた救急隊が幕をかける前の、生々しい写真も散見された。
スマホの普及により、事件や事故発生時の様子を通行人らが撮影してネットに投稿・拡散するという流れは定着。これをきっかけに問題が公になるなどのケースもないわけではないが、遺体や凄惨な事件現場でもスマホのカメラを向ける行動に対しては批判と肯定、様々な意見が混在している。
葬祭業を営む有限会社佐藤葬祭・代表佐藤信顕さんは、自殺者の姿を写真におさめ無差別に拡散していくことについて、「止めるべき理由は明瞭だ」と話す。
佐藤さんは8日、自死現場の撮影や投稿は<何から何まで人間社会でやってはいけない事>であるとツイートし、反響を呼んだ。
葬儀屋であり、YouTuberとして「葬儀葬式ch」を運営する佐藤さんは、著書『遺体と火葬のほんとうの話』(二見書房)などで葬儀についての正しい情報の解説もしている。人の死を扱う現場に携わってきたものとして、「人の死を消費する社会でいいのか?」と問いかける。
佐藤:僕のところには「写真をとることをどう思いますか?」という質問が多く来ました。僕の答えは明瞭で、「後追い自殺が増えるからやめるべき」です。
世界保健機関(WHO)は以前から、マスコミの自殺報道について、後追い自殺の拡散につながらないよう、ガイドライン「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」を設けています。
SNSをやる人も同様にこのガイドラインを守るべきじゃないかと、僕は考えています。SNSで発信するということは、1人の人間が報道局になるようなものだからです。
___
▼やるべきこと
・どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること
・自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと
・日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること
・有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること
・自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること
・メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること
▼やってはいけないこと
・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
・センセーショナルな見出しを使わないこと
・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと
(自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2017年版より)
(リンク先に続きあり)
自殺現場にスマホを向ける行為に葬儀屋が怒る理由「萎縮せず怒って」「遺体の扱い、社会の基本的なルール」
社会2020.01.10
今月6日正午過ぎ、東京都・新宿駅の付近で30代の男性が自殺を図った。病院に搬送された男性は、死亡が確認されたという。
現場は人通りが多い場所であったためか、現場に居合わせた人々が様子を撮影しTwitterなどへの投稿が相次いだ。現場にかけつけた救急隊が幕をかける前の、生々しい写真も散見された。
スマホの普及により、事件や事故発生時の様子を通行人らが撮影してネットに投稿・拡散するという流れは定着。これをきっかけに問題が公になるなどのケースもないわけではないが、遺体や凄惨な事件現場でもスマホのカメラを向ける行動に対しては批判と肯定、様々な意見が混在している。
葬祭業を営む有限会社佐藤葬祭・代表佐藤信顕さんは、自殺者の姿を写真におさめ無差別に拡散していくことについて、「止めるべき理由は明瞭だ」と話す。
佐藤さんは8日、自死現場の撮影や投稿は<何から何まで人間社会でやってはいけない事>であるとツイートし、反響を呼んだ。
葬儀屋であり、YouTuberとして「葬儀葬式ch」を運営する佐藤さんは、著書『遺体と火葬のほんとうの話』(二見書房)などで葬儀についての正しい情報の解説もしている。人の死を扱う現場に携わってきたものとして、「人の死を消費する社会でいいのか?」と問いかける。
佐藤:僕のところには「写真をとることをどう思いますか?」という質問が多く来ました。僕の答えは明瞭で、「後追い自殺が増えるからやめるべき」です。
世界保健機関(WHO)は以前から、マスコミの自殺報道について、後追い自殺の拡散につながらないよう、ガイドライン「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」を設けています。
SNSをやる人も同様にこのガイドラインを守るべきじゃないかと、僕は考えています。SNSで発信するということは、1人の人間が報道局になるようなものだからです。
___
▼やるべきこと
・どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること
・自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと
・日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること
・有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること
・自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること
・メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること
▼やってはいけないこと
・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
・自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
・センセーショナルな見出しを使わないこと
・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと
(自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2017年版より)
(リンク先に続きあり)