0001みつを ★
2017/12/22(金) 03:04:55.44ID:CAP_USER92017年12月21日 20:05 発信地:東京/日本
アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)と近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)は、バンドウイルカおよびキングペンギンの精子凍結保存に必要な保存液の開発と精子の運動性評価に関する研究をスタートさせました。技術を確立させ、当園では初となるバンドウイルカと、まだ世界でも事例の無いキングペンギンの人工授精の確立を目指します。
【研究内容】
バンドウイルカおよびキングペンギンの人工繁殖に貢献する技術の確立:開発する「凍結保存液」を使って、オス個体から採取した精子を凍結保存し、人工授精による妊娠および有精卵産卵を目指す。
課題:人工授精による人工繁殖には、精子の運動性低下を抑えた精子凍結・融解技術の開発が必要である。
【共同研究の概要】
平成29年3月、中国に次いで世界有数のジャイアントパンダの繁殖実績を有するアドベンチャーワールドと、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学(大阪府東大阪市)がタッグを組み、展示・希少動物の繁殖のための共同研究をはじめとする産学連携に関する協定を締結しました。
これまで、遺伝子工学や発生工学を駆使した動物生命科学に特化した研究を行う近畿大学生物理工学部では、精子等の遺伝資源の様々な保存技術開発に取り組み、その研究において、入手困難な野生動物の検体やその遺伝資源の確保を進めていました。一方、アドベンチャーワールドでは、飼育下で繁殖が困難な鯨類(イルカ・クジラ)と、高齢化が進むキングペンギンの精子を人工的に採取する技術を確立していましたが、人工授精につながる、精子の運動性を維持した精子凍結保存方法の開発を必要としていました。
そのような両者のニーズが合致したことから、今回新たな共同研究の開始に至りました。
【バンドウイルカやキングペンギン等の飼育動物を取り巻く環境】
現在、国際的な動向として欧米を中心に野生下からの鯨類の導入は禁止傾向にあり、海外で飼育展示されるイルカの大半は、人工授精や自然交配での飼育下繁殖により個体数が維持されています。日本国内においても、公益社団法人日本動物園水族館協会(JAZA)が、加盟園館に対し、平成27年に追い込み漁で捕獲したイルカの購入の禁止を決定して以降、全国の動物園水族館は個体数維持のため、自然繁殖に加え、人工授精による繁殖へも視野を広げました。しかし、バンドウイルカの人工授精による妊娠に成功しているのは、国内では4例のみで、人工授精の成功率を高めるための新たな技術の確立が求められています。
キングペンギンについては、世界でも未だ人工授精による繁殖には成功しておらず、国内のキングペンギンを飼育する施設が人工授精技術の確立に取り組んでいます。
また、イルカやペンギンのみならず、動物園水族館で飼育されている動物全般は、野生からの導入が困難な状況にあり、国内外の施設が協働して個体群の維持に取り組んでいます。しかし自然繁殖のみでは、特定の遺伝子に偏るなどの問題があります。遺伝的多様性を保持しながら長期に渡り個体群を維持するために、多種多様な種における人工授精技術が現在必要とされています。
(リンク先に続きあり)
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