http://www.bbc.com/japanese/42658565

2018年01月12日
クリス・バラニク、テクノロジー担当記者

米フェイスブックは11日、企業やブランド、メディアの投稿よりもユーザーの友人や家族の投稿が優先される表示に変更する方針を発表した。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が自分の投稿で明らかにした。

フェイスブックはまた、今後数週間中に導入される新しい表示方法の結果、企業などの投稿に対する人気が低下する可能性があると認めた。

ザッカーバーグ氏は投稿で、「企業やブランド、メディアからの投稿といった公的コンテンツが、自分たちが人間同士でつながる個人的な場面を締め出してしまっていると、多くのユーザーから指摘を受けた」と書いた。同氏や同社スタッフは、フェイスブックが大勢の人の幸福に役立つようにする責任があると感じたという。

今後は、公的コンテンツが優先表示されるには、仲良しグループでテレビ番組やスポーツについて話し合うなど、ユーザー同士のやりとりを活発にする内容でなくてはならない。
ザッカーバーグ氏は投稿で、「この変更で、利用者がフェイスブックを見る時間は減り、エンゲージメント(熱心な利用)の一部指標は低下するだろう」と認めた上で、「それでも、フェイスブックで過ごす時間は、むしろ充実するはずだ」と書いた。

これ以前の投稿でザッカーバーグ氏は、2018年にフェイスブックを「改善する」と約束。サービスの悪用からユーザーを守り、ユーザーが有意義な時間を過ごせるようにしたいと書いていた。

同氏はさらに、フェイスブックを国家から守ると約束した。

昨年秋に明らかになった分析で、ロシアを含む一部の勢力がソーシャルメディアのコンテンツを操作しようとしたことが示唆されている。
米ハーバード大学ニーマン・ジャーナリズム・ラボのローラ・ハザード・オウエン氏は、ザッカーバーグ氏の今回の発表について、「大きな変更であるのは確かだ」と語った。「出版社への影響が大きい。我々が見ているニュースフィードに自動的に表示されるニュースがかなり少なくなるだろう」。

オウエン氏は一方で、新たなアルゴリズムの下、どのようなやりとりであれば投稿の表示で優先されるのかフェイスブックはあまり明確にしていないと付け加えた。
オウエン氏は、激しいやり取りが生じやすい「最も議論を呼ぶ内容」、あるいは単純に、ユーザーが参加する特定の話題に関するグループページから取り込まれたコンテンツが優先される可能性があると指摘した。

「明確な認知」

南カリフォルニア大学アネンバーグ・スクール・フォー・コミュニケーション・アンド・ジャーナリズムのゲイブリエル・カーン教授はBBCに対し、フェイスブックは世間の厳しい視線にさらされており、「火消しにやっきになっている最中で、これまでずっと強調してきた暖かく快適なブランドイメージを取り戻そうとしている」と語った。

カーン氏はさらに、ザッカーバーグ氏の投稿は、フェイスブックが社会の健全性に大きな影響力を持っていることへの「明確な認知」だったと述べた。

しかしカーン氏は、新たな優先順位が意見や対話の性格を偏向させる可能性があると指摘し、「アルゴリズムに適用される価値観に関する公の場での議論があるべきだ」と語った。
(リンク先に続きあり)
(英語記事 Facebook plans major changes to news feed)