インターネットで音楽を配信する「ストリーミング」サービスの世界最大手、スポティファイは28日、米証券取引委員会(SEC)に上場申請したと発表した。ニューヨーク証券取引所に上場する。最近の取引から試算した株式時価総額は最大226億ドル(約2・4兆円)で、写真・動画共有アプリを手がける米スナップ(昨年3月)以来の大型上場となる。
「直接上場」と呼ばれる珍しい形をとり、新規上場に通常伴う新株の売り出しや、証券会社による引き受けはない。上場コストを抑えるなどの狙いがあるとみられる。米メディアによると3月下旬にも取引が始まる見込み。
スポティファイは2008年にスウェーデンで創業。「月約10ドルで聴き放題」などの音楽配信サービスを61カ国・地域に広げ、1曲ごとにダウンロードする方式が主流だった音楽の聴き方を一変させた。
申請書類によると、有料会員数は17年末時点で計7100万と前年比で5割近く伸びており、ライバルの米アップルや米アマゾンを大きく引き離す。17年の売上高は40億9千万ユーロ(約5300億円)だが、純損益は12億3500万ユーロの赤字だった。ソニー・ミュージックエンタテインメントが普通株の5・7%を握る大株主になっていることも明らかになった。(ニューヨーク=江渕崇)