http://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20180516/6040000825.html

05月16日 18時42分
ILC=国際リニアコライダーの研究素材となる素粒子に詳しいフランスの国会議員が16日、奥州市を訪れ、金属加工の高い技術を視察しました。

宇宙の成り立ちを研究する次世代の素粒子実験施設、ILC=国際リニアコライダーをめぐっては、欧米の物理学者の間でも北上山地が有力な建設候補地となっています。

こうした中、16日は素粒子研究に詳しいフランスの国会議員、オリヴィエ・ベシュト氏が奥州市の金属加工会社を訪れました。
この会社は、特殊な機械を使って半導体の製造装置などの部品を加工していることから、ベシュト氏は、ILC建設にも生かせる高い技術を生かした大型の部品の製造工程などを熱心に視察していました。

ILCの建設をめぐっては巨額の建設費用などが課題となり、日本政府は具体的な方向性を示していませんが、誘致を進める岩手県はベシュト氏の視察がヨーロッパ側からの働きかけにつながることを期待しています。
視察のあと、ベシュト氏は「岩手の技術に非常に感銘を受けた。ILCは岩手だけでなく世界的にも重要な施設なので、財政や技術などさまざまな面で支援していきたい」と話していました。

また、視察を受けた金属加工会社の千田雄二工場長は「私たちの技術に興味を持ってもらえたと思う。岩手の代表としてこうした機会に技術をアピールしていきたい」と話していました。