千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死した事件をめぐり、一家が2017年夏まで暮らしていた沖縄県糸満市は25日、対応を検証した市要保護児童対策地域協議会の最終報告書を公表した。報告書は母方親族から寄せられた虐待の疑いについて「(野田市に)情報提供を行っていない」と指摘。相談管理システムの導入や組織体制の強化を提言した。

 糸満市は17年7月、「入院中の実母から『実父からDV(家庭内暴力)を受け、心愛さんへの恫喝(どうかつ)がある』と聞き心配」と、母方親族から相談を受けた。市は調査を始めたが、一家は野田市へ転居。心愛さんへの虐待の疑いについて「事実確認ができなかった」として、野田市に伝えていなかった。

 これについて、報告書は「妹の出生や母親の入院があったとしても、虐待の危険性を踏まえて支援や対応を検討し、転出先へケース移管する必要があった」と指摘。DVやその対応についての知識とスキルが不足していた点や、母親や心愛さんから直接話を聞いていない点を課題に挙げた。

 さらに提言として、情報の集約…

2020年3月26日 11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN3T7G0GN3SUDCB004.html