0001ごまカンパチ ★
2020/05/28(木) 08:52:05.83ID:C/fzjmIn9【ここまで進んだ最新治療】
血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が長く続くと、「痛風発作」が起こりやすくなる。
その尿酸値が高くなってしまう原因は、「体の中で尿酸が多く産生されている」、もしくは「尿酸の排泄が悪い」からだ。
そのようなことから尿酸値を下げる尿酸降下薬には、薬の働きから「尿酸生成抑制薬」と「尿酸排泄促進薬」の2つのタイプに分けられる。
どちらのタイプの薬も国内では3剤ずつあったが、今月、新たな尿酸排泄促進薬が発売された。
選択的尿酸再吸収阻害薬の「ドチヌラド(商品名ユリス)」だ。
従来の尿酸排泄促進薬と何か違いはあるのか。痛風に詳しい「長瀬クリニック」(東京都板橋区)の長瀬満夫院長が説明する。
「尿酸排泄促進薬は、腎臓での尿酸の再吸収に関与する尿酸トランスポーター1(URAT1)の作用を抑制して尿酸の排泄を促進します。
ドチヌラドは従来の薬よりも、より選択的にURAT1の作用を阻害するのが特徴です。
また尿酸排泄促進薬の副作用には重篤な肝障害がありますが、ドチヌラドにはその副作用が少ないことが期待されているのです」
血液中の余分な尿酸は、3分の2が腎臓から尿中へ、3分の1が腸管から糞便中に排泄される。
しかし、尿酸は多すぎても少なすぎても悪いので、一部は腎臓の「URAT1」という取り込みトランスポーターの経路から血液中に再吸収される。
そして余分な尿酸は、腎臓と腸管の排出トランスポーターの経路から尿や糞便中に排泄される。
従来の尿酸排出促進薬は腎臓での再吸収を抑制するが、排出トランスポーターの働きも若干弱めてしまう。
しかし、ドチヌラドは排出トランスポーターには影響を与えず、URAT1の働きだけを選択的に阻害するのだ。
では、どの程度の効果が期待できるのか。
「国内で最も使われている尿酸排泄促進薬の『ベンズブロマロン』と比較すると、基礎データおよび初期の臨床データでは同程度あるいはそれ以上の効果が
期待できる結果が出ています。ただし、高濃度の尿酸が腎臓から排泄され尿路結石ができやすくなるので、他の尿酸排泄促進薬と同じで
『アルカリ化薬』の併用が必要になります」
これまで高尿酸血症の病態は、尿酸の産生が多い「尿酸産生過剰型」と腎臓からの尿酸排泄が悪い「尿酸排泄低下型」、
両方が合わさった「混合型」に分類されていた。
しかし、近年では腸からの尿酸排泄が悪い「腎外排泄低下型」という概念も加わり、国内の痛風患者の約8割がこのタイプと考えられている(高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン2019年改訂)。
腸管の尿酸排泄に影響を与えないドチヌラドの今後の成績に大いに期待したい。