※日経新聞

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領の弾劾決議では、共和党から10人が造反して賛成に回った。連邦議会占拠事件を扇動したトランプ氏への反発は共和党内にも強い。党指導部からは公然と同氏を批判する声が噴出しており、上院での弾劾裁判に影響する可能性がある。

「大統領には暴徒による議会襲撃に責任がある」。共和下院トップのマッカーシー院内総務は13日の下院本会議でトランプ氏を非難した。「米国の分断を深める」として弾劾決議には反対したが、トランプ氏を「あの襲撃を目のあたりにしたら、直ちに暴徒を非難すべきだった」と断じた。

トランプ氏は下院本会議のさなかに声明で「暴力や違法、破壊行為はあってはならない」と支持者に訴えた。造反の拡大を食い止める狙いがあったとみられる。賛成に回った10人には下院ナンバー3のチェイニー議員も含まれる。2019年12月の採決で共和からの造反はゼロだった。

上院の弾劾裁判でトランプ氏を罷免するには、共和から17人の造反が必要になる。裁判のカギを握るマコネル院内総務は13日、同僚議員への書簡で「報道で臆測が浮上しているが、どう票を投じるか最終決断を下していない。上院での討論に耳を傾ける」と伝えた。

米紙ニューヨーク・タイムズは弾劾は共和からのトランプ氏追放につながるとの認識をマコネル氏が示していると報じており、同氏が有罪判決を下す選択肢を排除していないとの見方も出ている。

2021/1/14 6:59 (2021/1/14 7:05更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1406O0U1A110C2000000/

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