金田一京助
「地名からみると北海道と東北は連続している。東北地方もかつてはアイヌ世界の一部であったと考えてよい」

菅江真澄
「東北地方の地名はアイヌ語に由来する。東北地方から出土する土器はアイヌの作ったものである」

Alexander Vovin 『日本研』 2002
縄文時代に日本語はまだ日本にはなかったという説が現在もう定説になりました。
それでは、どんな言語が当時の日本では話されていたのでしょうか。その一つはたしかにアイヌ語です。
アイヌ語の地名は岩手県と秋田県より南の方には存在しないので、アイヌ語は本来北本州でしか話されていなかったという意見が有力です。
それ故に、ヤンフネン氏の指摘の通り、縄文時代の日本ではアイヌ語以外に現代パプア ・ニューギニアのように沢山の言語があったようです。
現在まで生き残った縄文時代の言語はアイヌ語ただ一つです。


東北地方の「ナイ」「ベツ」地名の分布
https://livedoor.blogimg.jp/taptior/imgs/d/1/d128dbca.jpg

>「ナイ」「ベツ」で終わる地名は北海道、樺太、東北などに多く見られ、アイヌ語で「川」や「沢」を 意味する。

>青森・秋田・岩手には、今日でも和井内(わいない)、生保内(おぼない)、今別(いまべつ)などおびただしいアイヌ語地名がある。
>中には奥戸(オコッペ=興部)、シレトコ、シラヌカなどよく知られた北海道の地名と同じものもある