産経2021/6/21 20:34
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自社従業員以外にも対象を広げた職場接種の模擬訓練=東大阪市のサンコーインダストリー東大阪物流センター
新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた地域の飲食店や取引先中小企業など自社以外の従業員も参加できるワクチンの職場接種を、ねじ専門商社のサンコーインダストリー(大阪市西区)が7月5日から、大阪府東大阪市の同社物流センターで始める。参加対象は約2500人になる見通しで、21日に模擬訓練を実施。同社は「中小企業のまち」東大阪から感染収束や経済回復に一役買いたいとしている。
米モデルナ社製ワクチンを使う同社の職場接種は、1回目を7月5〜10日、2回目を8月2〜7日に実施する計画で、国へ15日に申請。ところが、同社の従業員は約450人で、国が示している職場接種の条件のうち「対象人数千人以上」が満たせなかった。
このため、従業員の同居家族のほか、取引先である府内の中小零細ねじ製造会社124社の従業員約1400人、物流センターがある東大阪市内の飲食店約100店に勤める約500人も接種対象に含めた。
また、接種の打ち手確保も難航。協力を求めた約20の医療機関に相次いで断られたが、唯一、昨年もPCR検査で協力してくれた大阪市内の医療機関が応諾。医師や看護師らを最大8人派遣してもらえることになった。
21日は、本番でも会場となる物流センターで、同社従業員や医療従事者ら約20人が参加した模擬訓練を実施。問診から接種、接種後の待機場までの流れを確認した。
奥山淑英社長は、自社以外の従業員も対象にした職場接種に取り組むことについて、「いち早く接種を進めることでいろんなメリットが広がる」と強調。大企業を中心に広がる職場接種だが、「中小企業や飲食店を置き去りにはしない」と中小零細企業が多い町工場の街、東大阪に物流拠点を持つ企業としての思いを語った。