◆脱毛原因解明も尾木ママ「似合う人はハゲのままでいい」

東京医科歯科大学の研究チームが、長年、謎とされてきた「脱毛」のメカニズムを解き明かし、
研究成果が米科学誌『サイエンス』に掲載された。
タンパク質の一種である「17型コラーゲン」の枯渇を抑えられれば、薄毛・脱毛を防げるとわかったのだ。
研究チームは「脱毛を防ぐ治療薬を5〜10年で開発したい」と意気込む。
早ければ5年で、すべてのハゲが治る夢の時代が訪れるかもしれないのだ。

薄毛に悩む50代男性が目を輝かせる。
「40代で髪が薄くなってから、老けて見られるようになりました。多くの育毛剤を試したけど効果はなく、話し相手の目線が常に気になります。
妻や娘からも『みっともない』と言われ威厳がないけど、いまさらカツラに挑戦する勇気もない。
コンプレックスに苦しむ毎日ですが、今回の発表でわずかな光が見えました」

男性美容研究家で薄毛対策に詳しい藤村岳氏も多様なメリットを指摘する。
「頭髪のことで真剣に悩んでいるが、デリケートな問題なので周囲に相談できないという男性は多い。
しかもこれまでの薄毛治療用の内服薬は男性ホルモンに作用し、性欲低下や勃起障害を引き起こす可能性もあったが、
コラーゲンはタンパク質の一種なので副作用の心配も少ない。
塗り薬や注射でコラーゲンを増やせば、内服薬に頼らなくてよくなる可能性も出てくる」

より安心できる治療法ならば、さらなる朗報だ。

日本を代表する薄毛タレントである東国原英夫氏(58)がこれまでの苦難を振り返る。
「『どげんかせんといかん』と今まで涙ぐましい努力を続けました。
10数年前には女性ホルモンを増やす薬を飲んだ結果、男性機能が衰えてなよなよしてきたんです。
さらに乳首が痛くなってふくらんで、内側にしこりができました。
頭皮を刺激する専用ブラシで頭部を叩き続けて血だらけになり、かさぶたができて毛が生えなくなったことも。
怪しげな器具で失敗したことや薬の副作用に苦しんだことも多々ある」

薄毛は精神的な負担が大きい上、根本的な治療法がないため、患者は一縷の望みを求めて怪しいクスリや器具に手を染めやすい。
そうした暗黒時代が終わりを告げようとしているのか。

しかし一方、世の中からハゲが消えることに寂しさを感じている人もいる。

過去に編み込み式増毛法をカミングアウトした漫画家のやくみつる氏が反骨の声をあげる。
「僕はファッションとして増毛を楽しんでいるだけ。新しい治療法で誰もがボサボサになるなんて、個性がなくて不自然です。
ハゲのメカニズムは謎のままでいい。宿命に抗う必要はないんです」

意外にも薄毛を気にしている教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏も「薄毛愛」を明かす。
「自分自身の毛髪ケアは毎日欠かしていませんが、世の中にはピカッとした輝きが似合う男性も多い。
高橋克実さんがフサフサだったらおかしいもの。ハゲが似合う人はハゲのままでいいじゃない」

この治療法が確立されれば、「あえてハゲたままが個性」の時代がやってくる。

※週刊ポスト2016年2月26日号

NEWS ポストセブン 2月17日(水)7時0分
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