https://youtu.be/XmffEsP8bu0?si=Re5DGCWgHx_Jof1E

6年前、栃木県那須町で登山の訓練中だった高校生など8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故をめぐり、遺族の一部が県や指導役の教諭ら3人に賠償を求めた裁判で、宇都宮地方裁判所は28日、県に賠償を命じる判決を言い渡しました。
一方、教諭ら3人に対する訴えについては棄却しました。

平成29年の3月、那須町の茶臼岳で高校の山岳部が登山の訓練をしていたところ雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人のあわせて8人が死亡しました。
このうち5人の遺族は去年、県と県の高校体育連盟、それに指導役の教諭ら3人に対しあわせて4億円余りの賠償を求める訴えを宇都宮地方裁判所に起こしていました。
これまでの裁判で、県は組織としての賠償責任があることについては争わない姿勢を示し、教諭ら3人は国家賠償法の規定から公務員の職務で発生した損害の賠償責任は自治体が負うとして、訴えを却下するよう求めていました。
28日の判決で、宇都宮地方裁判所の浅岡千香子裁判長は県と、県の高校体育連盟に対しあわせて2億9000万円余りの賠償を命じました。
一方、教諭ら3人に対する訴えについては「公務員の職務行為のなかで発生した事故であるため賠償責任を負わない」として棄却しました。

判決を受けて、遺族の代表と担当の弁護士は28日午後、栃木県庁で会見を開きました。
今回の判決について担当の弁護士は「原告の主張がそのまま引用され過失が認められたということだと考えている」などと述べ、控訴しない考えを明らかにしました。
また、遺族を代表して教員だった息子を亡くした毛塚辰幸さんは「この結果が教育現場の意識改革や制度改善を進め、事故の再発防止の教訓になることを期待しています」と述べました。

判決を受けて栃木県教育委員会の阿久澤真理教育長は記者会見を開き、「裁判所の判断を重く受け止めています。今後の対応は判決内容を精査した上で検討していきたい」と述べました。
その上で「2度とこのような事故が繰り返されることがないように教育委員会一丸となって再発防止に取り組み続けるとともに学校教育全般にわたる安全管理、危機管理のさらなる充実と強化をはかっていきます」と話していました。

判決について、安全配慮義務に詳しい大阪市立大学の高橋眞名誉教授は、「国や県が賠償を行い、個人は責任を負わないという過去の判例に基づく穏当な判決だ」と述べました。
また、判決について「何が起きたかという事実関係に関してあまり踏み込んでいないという印象がある。県が賠償責任を認めているため、過失として重要な不手際があったかということに踏み込むことができなかった点は遺族には物足りなかったのではないか」などと話していました。

この事故をめぐっては教諭ら3人が業務上過失致死傷の罪で起訴され、刑事裁判が続けられています。
刑事裁判について当時、高校1年生だった息子を亡くした奥勝さんは、「刑事裁判では教諭らの過失が犯罪行為であったと認定してもらい教訓として残してもらうことを期待している」などと話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20230628/1090015214.html