天皇陛下の譲位を可能とするため、政府が5月に国会提出する特例法案の概要が13日、分かった。
法案は「天皇陛下の退位に関する皇室典範特例法」(仮称)とし、第1条に譲位に至る趣旨を書き込む。

その内容は
(1)高齢になられた陛下が、活動の継続が困難となることに深い心労を抱かれている
(2)国民は、ご心労を理解し共感している
(3)皇太子殿下が長期にわたり公務に精勤されている状況に鑑み、陛下の譲位と皇嗣(こうし)の即位を実現し、陛下の地位や譲位に必要な事項を定める
−などを明記する。


 特例法案では、天皇陛下が施行日限りで譲位し、皇嗣である皇太子さまが直ちに即位すると規定。
譲位した天皇の呼称は「上皇」とし、上皇の后は「上皇后」とすることを盛り込む。

 皇室典範以外の法律の関連規定として、
▽上皇の補佐組織を新たに設置
▽天皇誕生日として祝日を(現皇太子さまの誕生日である)2月23日とする
▽三種の神器などにかかわる贈与税や上皇の輸入関税を非課税とする
−などを定める方針だ。

 また、政府は13日に開いた安倍晋三首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長・今井敬経団連名誉会長)の第13回会合で、政府への提言となる最終報告の骨子案をまとめた。
21日の議論を経て、安倍首相に報告書を手渡す。

 会合では、陛下の譲位後の活動のあり方について
「象徴としてなされてきた行為は、基本的に全て新天皇にお譲りになることでよい」との意見でおおむね一致した。
新天皇との「二重権威」を回避するため、重祚(ちょうそ)(再即位)や摂政、皇室会議議員への就任資格も認めない方向とする。

 秋篠宮さまの称号については、皇太子、徳仁さまのご即位にあたり、皇位継承順位1位であることを明確にするため、
「皇嗣」を使って「秋篠宮皇嗣殿下」「皇嗣秋篠宮殿下」「皇嗣殿下」と称する案が浮上している。
また、最終報告では皇族減少対策に触れることも確認した。譲位の時期やお住まいは政令で定めるため、最終報告には明記しない方針。

http://www.sankei.com/smp/life/news/170414/lif1704140002-s1.html