一体、どの面下げて──。安倍首相はきょう午前、東京・新宿御苑で恒例の「桜を見る会」を予定通り開催した。
ももいろクローバーZのメンバーなど芸能人やスポーツ選手、政界関係者ら約1万7000人の出席者を招いたという。

 まさに「おいおい」と言わざるを得ない。安倍首相は、トランプ大統領の尻馬にのり、北朝鮮の核・ミサイル開発について「深刻さを増している」
「現実から私たちは目を背けることはできない」などとさんざん脅威を煽り、13日の参院外交防衛委員会では「北朝鮮はサリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」とまで明言。
さらには「さまざまな事態が起こった際には、拉致被害者の救出について米国の協力を要請している」と話し、"今日明日にでも北朝鮮の弾道ミサイルが打ち込まれてもおかしくない!"とばかりに騒ぎ立ててきたではないか。

 にもかかわらず、アイドルに囲まれてにこやかに桜の木の下でハイ!ポーズ、とは......。国民にはサリン搭載ミサイルが打ち込まれる可能性を声高に叫んで不安に落としいれながら、自分は安穏と花見をしているのである。
言っていることとやっていることが滅茶苦茶だ。

 しかも、安倍首相はこの会で、「風雪に 耐えて5年の 八重桜」と一句詠んだという。森友問題の説明責任も果たさず逆ギレ発言ばかりしている人間が「風雪に耐えて」とは被害者ヅラも甚だしいが、
さらに驚くべきは、きょうの花見にあの人物を同伴したことだろう。

 そう、なんと安倍首相は、昭恵夫人をこの花見に出席させたのだ。
連日お伝えしているように、昭恵夫人をめぐっては、総理夫人付の職員だった谷査恵子氏に財務省への口利き工作をやらせただけでなく、国家公務員法違反にあたる選挙応援への随行、
主宰する学校の事務局作業から自身の農場での田植え、スキーイベントへの同伴など、私的な活動でも召使いのごとくこき使っていたことが判明。
森友学園問題はまさしく「アッキード事件」という名称通りの展開となっており、昭恵夫人の証人喚問なくして進展が望めない状態にある。

 そんな大疑獄の渦中にある人物が、平然と花見。これは昭恵夫人と公式な場で連れ添う姿を見せることで、「疑惑の人物」というイメージを払拭させる官邸と安倍首相の思惑があるのだろう。

 まったく厚顔にも程があるが、しかし、逆に言えば、すでに安倍首相のなかでは、昭恵夫人をこの会に同伴させても、もうマスコミは追及しないという公算があるということだ。

 有事を煽って森友問題から目を背けさせ、昭恵夫人の傍若無人な振る舞いを反故にする──。国民をとことんバカにしているとしか思えないこんな総理大臣を、この国の有権者はいつまで支持し続けるつもりなのか。