「歩数自慢」に意味はない

60過ぎたら健康のため「一日一万歩」歩かなければと思い込み、一生懸命、毎日実践している人も多い。
だが、『やってはいけないウォーキング』(SB新書)の著者で、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏は「それは大きな間違いだ」と語る。
「私たちは、17年間、群馬県の中之条町に住む65歳以上の方、5000人を対象に調査し、その内500人には24時間活動量計をつけてもらい、モニタリングしてきました(現在も調査は続行中)。
その結果、一日8000歩が健康効果の最大値で、それ以上は頭打ちになることが分かったのです。頑張って一万歩以上歩いたとしても、ほとんどすべての病気において効果が見られませんでした。
それどころか60歳を過ぎてのウォーキングのし過ぎは、身体に弊害すらもたらすことが分かってきました」
弊害の代表的なものが、膝や腰などの「関節痛」だ。高齢者の中には過度なウォーキングによって膝の軟骨が擦り減ってしまい、関節を痛め、人工関節手術を受けざるを得なくなった人もいるという。

(中略)

運動するほど老化が進む

「ウォーキングを始めた当初はアクティブに動けても、ある時を境に活動量がガクンと落ちる人もいます。運動は健康にいいと言いますが、『すぎたるは及ばざるがごとし』という格言があるように、やりすぎはよくない。長い目でみるとマイナスになることもあるのです」(前出の青柳氏)
さらに青柳氏によれば、運動をしすぎると、健康になるどころか「逆に免疫力が低下する」ことも分かっているという。
「昔から『スポーツ選手は風邪を引きやすい』といいますが、あれは免疫力が下がっているからです。
かつてイアン・ソープ(オーストラリアの水泳選手で五輪金メダリスト)の血液を分析したところ、免疫機能、特にガン細胞を殺すNK細胞の活性レベルが普通の人より低いことが分かりました。インフルエンザなどにもかかりやすい状態になっていた。トレーニングのしすぎで免疫力が低下していたのです。
これは一般の人にも当てはまります。要するにスポーツでパフォーマンスを発揮する体力と、病気を予防する体力は全然違うということです」

特に高齢者の場合、免疫力が低下すると、風邪をこじらせて肺炎を発症し、そのまま亡くなるといったケースもあるので注意が必要だ。
運動をしすぎると活性酸素が溜まり、それが「ガン」の原因になる。活性酸素は運動過多だけでなく、紫外線によっても作られる。
「長時間、紫外線を浴びながらのウォーキングは活性酸素を大量に生成することになってしまう。活性酸素は、肺ガンや大腸ガンの原因となるだけでなく、アトピーやリウマチ、膠原病などの難病も誘発します。
毎日運動して真っ黒に日焼けしている人がいますが、自ら寿命を縮めているようなもの。見た目は健康そうに見えても体内では不具合が起こっている可能性がある」(土佐清水病院の丹羽耕三氏)
過度な運動により、体が疲れすぎると腸の動きも悪くなるため、便秘や下痢になりやすくなる。これがひいては大腸ガンの遠因にもなっている。

さらに長時間のジョギングやウォーキングは、「動脈硬化も悪化させる」と前出の青柳氏は言う。
「適度な運動は血流を改善し動脈硬化を予防しますが、やりすぎると逆に作用します。運動のしすぎで血圧の高い状態が続くと、血管の修復機能が追いつかなくなり、血栓がプラーク(血管内の壁、コブ)にひっかかり、血流がさえぎられ、心筋梗塞や脳卒中を起こすのです」
適度な運動は、認知症予防にも効果的だが、それを超えると、より認知症が進行してしまう危険性がある。
「活性酸素によって攻撃された細胞は、一部がガンになり、それ以外は死滅します。これにより脳細胞が減っていくので認知症が進行するのです。
さらに、運動のしすぎで疲れすぎると睡眠が浅くなり、脳の中にアミロイドβやタウタンパク質と呼ばれるゴミが溜まります。これがアルツハイマー型認知症の原因となるのです」(青柳氏)


続きはソースで
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51423

2017/04/14(金) 21:25:45.20


http://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1492186217/