リンさんの自宅周辺は農地や空き地が多く、防犯カメラの少ない地点だったことから、県警捜査本部は自宅周辺を走っていた車両のドライブレコーダーの画像を解析して捜査を展開。
犯人像を絞り込むのに威力を発揮したという。小さな車載カメラは動く「防犯カメラ」として活躍している。

 「この車にカメラはついていませんか?」

 捜査本部は事件後、リンさんが家を出たとみられる時間帯に通学路周辺で検問を行い、目撃情報とともにドライブレコーダーの画像についても提供を求めていた。
その結果、付近を通過した複数の車両のドライブレコーダーに通学路以外の道を歩くリンさんに似た女の子の姿が写っているのが確認された。
捜査幹部は「犯人を絞り込む過程で、手がかりの一つとなった」と振り返る。

 ドライブレコーダーは、交通事故の原因分析などを目的として、車のフロントガラスやミラーに取り付ける小型カメラ。
2万円程度で購入でき、タクシーなどの事業者のほか一般車にも広がりつつある。
市場調査会社「GfKジャパン」(東京都中野区)によると、年間販売台数は平成28年までの3年間で約3倍に増加。
高画素のものや、夜間でも鮮明に撮影ができるものなど、高機能化も進んでいるという。

 今回の事件に限らず、犯罪捜査への活用も注目されている。
千葉県柏市で26年3月に発生した会社員が刺殺された通り魔事件では、
たまたま通りかかったタクシーのドライブレコーダーに事件の瞬間の映像が残っており、犯行の裏付けにつながった。

 ある警察幹部は「ドライブレコーダーは『動く防犯カメラ』。
一般車両への普及が進めば、捜査で活用できる場面も増えるはずだ」と期待を寄せる。

犯人像を絞り込む「ドライブレコーダー」の威力 「動く防犯カメラ」として犯罪捜査に活躍
http://www.sankei.com/affairs/news/170416/afr1704160010-n1.html