登山者の排せつ物の放置などが深刻化している北海道新得、美瑛両町にまたがる日本百名山の一つ、
大雪山系トムラウシ山(2141メートル)の環境改善に向け、道など関係機関が17日、山岳トイレ環境対策部会を開く。

現地調査や携帯トイレの利用促進策などを検討し、
利用者から「日本一汚い」との声も上がる汚名返上に本腰を入れる。

トムラウシ山にトイレはなく、山頂近くの南沼野営指定地などでは排せつ物やティッシュペーパーが大量に放置されている。

登山道から外れ、用を足すため岩陰に向かう踏み跡が「トイレ道」として複数あり、高山植物の踏みつけで裸地化も進行している。

道などは同指定地に携帯トイレ用の便座ブース、新得町トムラウシ温泉の登山口に携帯トイレの回収ボックスを
設置するなどの対策を取ってきたが、改善されていない。

特にトイレ道には雨水や雪解け水が流れ込み、裸地化に拍車を掛けているという。
登山愛好者の帯広市の男性会社員(34)は「南沼は確かに紙が散乱して汚い。
入山時の携帯トイレの配布なども考えるべきではないか」と話す。

トムラウシ山は大雪山系の縦走ルートのほか、トムラウシ温泉や東川町天人峡温泉などからの登山ルートもある。
広大な高山植物地帯や湖沼があり、大雪山系の雄大さを体感できる人気の山で、全国各地から登山者が訪れる。
新得町によると、同町側登山口からの昨年の入山者は約1700人に上るという。

対策部会は十勝総合振興局と新得町、十勝山岳連盟、山のトイレを考える会(札幌)などで構成。
十勝総合振興局環境生活課は「関係機関と団体が連携し、登山者へのアンケートや現地調査などで解決策を考え、
植生回復の方策も検討したい」としている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170416-00000007-mai-soci

トムラウシの登山者によってできた「トイレ道」=2016年8月、十勝総合振興局提供
http://amd.c.yimg.jp/amd/20170416-00000007-mai-000-3-view.jpg