総務省が「ふるさと納税」の返礼品競争対策で、寄付額に対する返礼品の調達経費を「3割以下」とする目安を示したことなどを受け、
伊那市の白鳥孝市長は17日午前、市役所で記者会見し、今後、調達額が10万円以上の家電製品の返礼品は取り扱わないとする独自の運用方針を設けたと明らかにした。

総務省が納税の趣旨に反するとして返礼品からの除外を求めている家電製品は、原則10万円未満なら継続する。
同市のふるさと納税の寄付額は2016年度、72億円余と県内市町村で最多。対応が注目されていた。

総務省は、資産性の高い家電などを返礼品から外すよう求めていた。
白鳥市長は会見で、返礼品の金額に独自の基準を設けた根拠として、法人税法施行令の規定で「調達価格10万円以上が備品、10万円未満は消耗品」と区分されていることを挙げた。

調達価格が10万円未満で今後も返礼品として継続する製品としてブルーレイレコーダーなど、10万円以上で取り扱いをやめる製品にはオーブンレンジなどを挙げた。
市独自の判断で、生産工程が全て海外にある電気ケトルなども地域経済への貢献度合いが低いとしてやめる。

総務省通知で趣旨に反するとされた「金銭に類似する商品券」について、市は食事券が該当するとした。
ただ、特定店舗での食事という目的のため商品券とはいえないとし、今後は転売防止対策で寄付者名を記した案内状に変えて本人確認をしやすくする。

市は、総務省の見直し方針を受けて3月末から一時停止していた納税の申し込み受け付けを18日に再開する。
返礼品は一時停止前の約160品目から一部の家電を除いた約100品目に減らし、寄付額に対する返礼品の調達経費も3割以下に見直す。

市は17年度当初予算の段階では、寄付額6億円のうち45%の2億7千万円を返礼品の調達額として計上していた。

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると税が軽減される制度。08年度に導入された。
総務省は1日付の通知で、返礼品調達額の目安などを示した。
強制力はないが、同省は見直し状況をチェックして自治体、仲介業者らに改善を促すとしている。

配信 4月17日

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