東京市場で「母の日」(5月14日)向けカーネーションが品薄になる可能性が出ている。
半数以上を占める輸入物が天候不良で少ない中、国産も不安定な出荷が見込まれている。
仕入れは28日ごろから本格化するが、卸売会社は「気温が高い状況が続けば前倒しの出荷となり、母の日近辺では一部不足感が出る」とみる。

同市場での「母の日」向けカーネーションの約7割を輸入物が占める。
輸入商社によると、主力のコロンビア、エクアドルでは、4月以降に異例の曇雨天が続き、生育が鈍化。「生育遅れに伴い、当初の予定より数量が減る可能性はあるが、まだ予測できない」と輸入業者は話す。

国産も産地によって生育にばらつきがある。主力の愛知県JA愛知みなみでは、ここ数日の気温の上昇で出荷がやや前倒しとなっている。
「温暖な気候が続けば、販売ピークの5月8日には入荷が少なめになる」とみる。千葉県でも「ここ数日続いた高温で1、2週開花が早まっており、前倒し傾向」(JA安房)という。

一方、栃木県では昨年秋口の曇天の影響で一部の産地で一番花の出荷に遅れが発生。JA全農とちぎは「母の日向けに出荷予定の二番花もやや遅れている」と説明する。

今年の「母の日」は、行楽需要が一服した大型連休明けで、生花店にとって売りやすい年とされる。
小売りの仕入れ最盛は5月第2週。卸売会社は「現状、4、5日生育が前進している産地では5月は出荷の谷になる」とみる。別の卸売会社でも「今の状況だと、輸入物も国産も少なく、品薄高になる可能性が高い」と見込む。

17日の東京市場のカーネーション(赤色)の入荷量は7万本。価格(中値)は1本83円で前年を36%下回った。

配信 2017年04月18日

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