初の日米経済対話を前に、世耕弘成経済産業相とウィルバー・ロス米商務長官が18日午前、東京都内の経産省で会談し、アジア地域の通商の状況について意見交換した。【工藤昭久、浜中慎哉】

■午後、経済対話

トランプ政権は対日貿易赤字を問題視しており、ロス氏が貿易不均衡の是正や2国間の通商協定の交渉入りなどに言及するかが注目されたが、
会談終了後、ロス氏は日本との自由貿易協定(FTA)については「時期尚早」としたうえで、「日本との貿易関係を強化したい」と述べるにとどめた。
また、6月に米国・ワシントンで世耕氏と再会談したい意向を明らかにした。

一方、世耕氏は記者団に対し、日米2国間の通商協定に関する議論について、「かなり具体的で、率直で、実務的な話ができた」と語ったが、
会談の中身については「経済対話の議論を待ちたい」と述べるにとどめ、具体的な内容を明らかにしなかった。
また、サイバー分野の人材育成やインフラ分野での協力について意見交換したことも明らかにした。

ロス氏は、同日午後に麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領をトップに開かれる日米経済対話にあわせて来日。
ただ、経済対話には加わらず、別枠で世耕氏と会談した。両国間の通商問題に関する意見交換を行ったほか、エネルギーやサイバーセキュリティーなどの分野での協力を確認した。

通商政策を担当するロス氏はこれまで、中国や日本に対する貿易赤字を問題視する発言を繰り返してきた。
トランプ政権は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を表明し、
その代わりの枠組みとして2国間の通商交渉を進めたい意向で、ロス氏も「日米など2国間協定の優先度が非常に高い」と語っていた。

午後には安倍晋三首相が、ペンス氏らを招いた昼食会を開催し、その後、麻生氏とペンス氏による日米経済対話が開かれる。

経済対話では、(1)財政・金融政策の連携(2)インフラ整備、エネルギーなどの事業の協力(3)2国間貿易の枠組み−−の3分野について議論。
終了後、麻生氏とペンス氏が共同記者会見して、経済対話の成果を発表する。

配信 2017年4月18日 13時09分

毎日新聞 ニュースソースを読む
http://mainichi.jp/articles/20170418/k00/00e/010/253000c

別ソース 朝日新聞デジタル(2017年4月18日12時36分)
米商務長官、日米の二国間交渉に意欲 世耕経産相と会談
http://www.asahi.com/articles/ASK4K76YVK4KULFA044.html