http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39637934

英国で6月8日に総選挙が行われる見通しとなった。知っておきたいいくつかのことを整理する――。

何があったのか?

テリーザ・メイ英首相は、6月8日に総選挙を実施したいと宣言した。予定されていた2020年より3年、前倒しすることになる。
(中略)

主要日程は?

下院が19日にも、選挙の実施を採決する。承認されれば議会は5月3日に解散。6月8日の投票日まで、本格的な選挙戦が繰り広げられることになる。

ブレグジットにとっての意味は?

英国は引き続き、2019年3月29日の金曜日に、正式に欧州連合(EU)を離脱する予定だ。
他のEU加盟国との個別交渉は6月まで始まらない。つまり、ブリュッセルで本格的な交渉が始まるまでに、選挙はおそらく終わり、新政府が発足しているはずだ。
保守党は「欧州連合が交渉方針について協議している最中に選挙を行うとすれば、今しかない」と説明。メイ首相が選挙で圧勝すれば、自分のEU離脱戦略に対する信任投票だと受け止めるだろう。
しかし現在の保守党は定数650の下院で330議席と、かろうじて過半数を獲得しているに過ぎない(労働党は229議席)。選挙の結果、この差がさらに縮まったり、ブレグジットに反対する自由民主党が議席を大幅に増やすなどして保守党が敗北すれば、英国の今のブレグジット戦略の先行きは不透明となる。
4月に発表された5種類の世論調査結果の平均によると、保守党の支持率は43%弱で、労働党は25%強だった。17ポイント以上の差がついているため、これがこのまま投票行動に反映されれば、保守党は文句なく勝てるはずだ。

しかし世論調査はいつも間違うのでは?

2015年総選挙について各種世論調査は、結果を正確に予測できなかった。調査業界は未だに、不正確な結果につながった問題を完全に修正できてはいない。そのため、世論調査結果はある程度、眉に唾をつけて受け止める必要がある。とはいえ、2015年選挙直前の労働党と保守党の支持率の差は0〜6ポイントだった。今回の保守党のリードはそれよりはるかに大きい。
(中略)

そのためメイ首相は総選挙をすることに?

なぜ総選挙を前倒しするのか。メイ首相の公式説明は、ブレグジット交渉を有利に進めるためだ。労働党とスコットランド国民党(SNP)と自由民主党が、議会で交渉を妨害してくるはずだと首相は言う。
しかし、与野党の議席数が伯仲している場合、総理大臣が権限強化のため解散・総選挙に踏み切るのは、それほど珍しくもない。現状では、政府ポストについていない与党議員が数人でも集まれば、政府のやり方に異を唱えて妨害できる。
加えてメイ首相は、キャメロン前首相が2015年総選挙で掲げた綱領に縛られている。今のところメイ氏は、キャメロン氏の政策目標を大きく変更していない(選抜制中学高校の充実や財政緊縮案の緩和などが例外)。しかし選挙で勝てば、独自の英国の未来像を提示することができる。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 General election: What you need to know)
2017/04/19