京都新聞 2017年04月20日17時00分

滋賀県は、水質を監視するため琵琶湖上に設置している自動測定施設の撤去に着手する。設置から25年以上たって老朽化に伴う事故が懸念されているためで、県は2018年度にも撤去を終える方針だ。
UFOを思わせる形状で目を引いていた琵琶湖の隠れた名物が、姿を消すことになる。

撤去するのは南湖湖心局(大津市唐崎沖1・5キロ)と北湖湖心局(大津市南比良沖4キロ、高島市今津沖3・5キロ)の3基。いずれも琵琶湖総合開発事業の一環で、1990年〜91年に設置された。

南湖は16メートル四方の高床式、北湖の2基は高さ約20メートル、直径最大6メートルのブイ状。いずれもpH値や溶存酸素量といった水質や、水温、流速などのデータを地上に送信してきた。

しかし、測定機器が老朽化し、必要なデータ量も確保できたことから、2006年度までに3局とも稼働を停止していた。
その後も施設維持に毎年平均で350万円がかかり、船の衝突事故も懸念されていたことから、「一定の役割を終えた」(琵琶湖政策課)として撤去を決めた。

北湖の2基は、それぞれ水深60メートルと90メートルの湖底から鎖でつながれており、湖底に柱を立てた南湖(水深5メートル)と比べ、撤去作業は難しくなると予想されている。
県は17年度当初予算に3500万円を計上し、撤去方法の検討を始める。

南湖の測定施設は内部に約150平方メートルの、北湖は上下4層の機器を置く空間がそれぞれあるものの、窓やトイレはなく再利用は難しいという。

滋賀県が撤去に着手する水質自動測定施設「南湖湖心局」(草津市から撮影)
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