女性セブンの名物アラカン記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中のおかしな出来事にメスを入れる! 今回のテーマはアラカン女性の逮捕騒動です。

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「62才の彼女がなりきったのは“女”を飛び越えて“女の子”」
「たいしたタマだよね」
「千両役者!」

 ここのところ、アラカンの女友達が集まるとこの話だ。人差し指を反そらせてスマホをいじる仕草。タイの警官を見上げる視線と甘い声。彼女が日本中の目をくぎ付けにしたのは、『出資法違反』という四角い法律ではなくて、間違いなく、一度見たら忘れられない異様な見た目だ。

◆詐欺被害の悲しさは、痛い腹を探られること

 山辺節子容疑者は、「大企業は銀行からすぐお金を借りられないんです。私がその埋め合わせをしているので、私にお金を預ければ必ず儲かります」と言って、7億円以上を集めたそう。ここ数年、大手企業の粉飾決算が騒ぎになっているから、この話を信じた人もいたと思う。

 この手の話を聞いて思い出すのは、私自身が以前、ひっかかってしまった苦い経験。ウソっぽい話に乗っかり、何度か辛酸をなめた私の恥をさらすと、詐欺被害の悲しさは、他人から同情されないことなの。

 私をだました相手と、そうなるまでのいきさつを思い出すと、夜中に仁王立ちになるほど腹が立つ。けど、それを人に話すと、「なんで?」とアホを見るような目で見られるんだよ。それか、「あんな人に惚れたの?」と痛くもない、または痛い腹を探られるかで、ロクなことがない。

◆昭子でも和子でもタイ人にとっては変わらないけど…

 とはいえ、山辺容疑者には共感するところもある。それは、ウソのさじ加減。

 31才のタイの恋人に年齢を「38才か39才」と言っていたそうだけど、40才ではいかにも“おばさん認定”だけど、35才と言うとさすがにウソっぽい。そのギリギリが38か39って、わかるわ〜。

「エリコ」というタイで名乗っていた名前もそう。タイ人にしてみれば節子でも昭子でも和子でも同じだったかもしれないけど、節子さんにとっては、その名前でしか31才の男にしなだれかかれなかったのよ、きっと。わかるわ〜。

 まず自分をだまして、相手をだまして、夢の世界にワープ。でも、それをしてみたいかというと、話は別なんだわ。

 熊本の豪邸からも夜逃げ同然だったというし、資金からして人からだましたお金。タイのビーチを歩いていても、心はいつも“カチカチ山”だったのではないか。

 それに、若作りがうまくいったところで、31才の男とカップルになっての明け暮れはくたびれない? 「お金をあげるから同棲して」と言った彼女を、テレビのコメンテーターは色欲という意味で、「パワフル」と言っていた。でも彼女が考えていたのは逃亡と隠とんで、性愛は、憂さを晴らすお酒ほどの役割りだったと思うんだけど、どうなんだろう。

 伝え聞くところによると、子供の頃から男の子にもてて、結婚して子供もいたとか。それがなぜ、どんないきさつでこんなことに???

 やだ、彼女のことなら何でも知りたい私は、すでにファン!?

※女性セブン2017年5月4日号

https://news.infoseek.co.jp/article/postseven_518466/

「38才か39才」という年齢詐称は絶妙との声も
https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/postseven/postseven_518466_0.jpg