宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山の硫黄山で25日、山がわずかに隆起していることを示す地盤の変動が観測されました。
気象庁は、火山の状況に関する解説情報を出して、噴気や火山ガスなどの突発的な噴出に注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、霧島連山のえびの高原の硫黄山では、25日午前11時半ごろから午後5時ごろにかけて、
山の南西に設置された傾斜計で、山がわずかに隆起していることを示す地盤の変動が観測されました。

このため、気象庁は硫黄山に火山の状況に関する解説情報を出して、噴気や火山ガスなどの突発的な噴出に注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、硫黄山では、火山性地震の回数が25日は午後7時までに6回と少ない状態になっているほか、地下の熱水の動きなどを示す火山性微動は観測されていないということです。

また、硫黄山周辺では監視カメラによる観測で、長期的に温度が高くなっている領域の拡大や、噴気の量の増加が見られるということで、
気象庁は「活火山であることに留意」を示す噴火警戒レベル1を継続するとともに、今後、現地に職員を派遣し、詳しい状況を調べることにしています。

<専門家「火山活動はやや上向き」>

鹿児島大学の井村隆介准教授は「きのう、火口から1キロほど西の地点を訪れた際には、硫黄の臭いをやや強く感じた。
先月には、火口の外側で噴気が出ている場所が増えるなど、硫黄山の火山活動は、全体としてやや上向いていると見られる」と話しています。

そのうえで、「大型連休に登山などで訪れる人も多いと思うが、地元の自治体の指示に従って行動し、突発的な火山灰や噴気の噴出などに注意が必要だ」と話しています。

配信 4月26日 4時29分

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