【血圧を下げる新常識】ポケモンGOも血圧対策に有効、米論文でも報告 40〜50代で高い継続率

ポケモンGOを続けているのは、むしろ中高年層に多いという
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羽田明教授
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zakzak 2017.04.26
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 血圧が異常に高い状態が続くと、心筋梗塞や脳卒中、さらには高血圧性腎症にもつながる。しかし、高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれるように、自覚症状がない場合が多く重大なリスクについてはピンとこない。国の施策では、自助努力を促そうとさまざまな働きかけを行っているが、中には、有効とはいえないものもある。そのひとつが、食品のパッケージや飲食店のメニューに記載された栄養表示だ。

 この料理は「何キロカロリー」「食塩含有量」「ナトリウム含有量」などと書かれていて、選択しやすいのだが、大多数の高血圧症の人の改善には、役立っていないそうだ。

 「栄養表示などは、国内外で広く導入されている方法ですが、多くの人の高血圧を改善するというエビデンス(科学的な根拠)は示されていません。健康意識の高い人は、表示を気にしますが、そうでない人は気にしない傾向があると思われます」

 こう指摘するのは、千葉大学予防医学センター副センター長の羽田明教授。千葉県内の国民健康保険組合の健診データを基にして、生活習慣病などの疫学研究を進め、予防に役立つ新たなアプローチの開発を行っている。

 「現在、高血圧の治療薬を飲んでいる人と、服用していない人の5年後の医療費の増減を調べています。しかし、リスクや不利益を示して脅しただけでは、高血圧を改善しようと思う人は増えません。楽しみながら改善できるよりよい方法を模索中です」

 ストレスを飲食で発散していると、表示カロリーより「好きなもの」「満足感を得られる料理」を選びがちだ。改善しようとしても、仕事などでイライラしていれば、健康的な食事は二の次になりがち。「わかっているけれど止められない」といった状況の回避は、なかなか難しい。

 「最近、米国の論文で、スマートフォンのゲーム『ポケモンGO』が、健康によい影響を与えそうだといった報告が、出始めていいます。スマホ歩きは危険なのでお勧めしませんが、若者より40〜50代の継続率が高く、達成感が得られるため、自然に歩数が増えているようなのです」

 「ポケモンGO」は、位置情報によって日常の中でポケットモンスターを見つけるゲーム。ポケモンを捕まえるために、身体活動が高まりやすいのだ。

 「ご自身で達成感や楽しみをぜひ見つけてください。それが高血圧の改善策で最も大切なことだと思っています」と羽田教授は話す。

 食生活の見直しが楽しくなる自分なりの方法を探しだそう。(安達純子)