地域の坂の傾きが約1.5度上がると、住民が中等度の糖尿病になるリスクが18%低下するとの調査結果を、東京医科歯科大などの研究チームが8日、発表した。
同大の藤原武男教授(公衆衛生学)は「日常的に坂を歩くことで、運動と同じ効果が得られている可能性がある」と分析している。

研究チームは2010年、愛知県武豊町など6市町46地域に住む65歳以上の男女計8904人の調査を実施。住んでいる地域の坂の傾斜と、糖尿病との関連を調べた。

各地域の坂の傾斜は約1〜10度で、平均は約3度。1カ月の血糖値の状態を表すHbA1cが7.5%以上である中等度の糖尿病だったのは223人だった。
坂の傾きが1.48度上がると、中等度の糖尿病になる可能性は18%下がっていた。

軽度も含めた糖尿病(HbA1cが6.5%以上)になるかどうかでは、違いがみられなかった。
研究チームは「自治体が運動用の道を造る際、軽い坂のあるコースを設けるなどしてもいいのでは」と指摘している。 

配信 (2017/05/08-17:49)

時事ドットコム
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