ソフトバンク格下げ警戒、債務増でムーディーズ−英社買収完了
Bloomberg 2016年9月5日 09:59
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-04/OCUYF26K50XS01

■債務・EBITDA倍率5.5倍超が格下げ目安、3月は5倍:MDY
■英社買収資金約3.3兆円は借り入れと現金で賄う:ソフトバンク

 英半導体設計会社アーム・ホールディングスの買収手続きを5日に完了するソフトバンクグループは、
債務がさらに膨らむ。その水準はムーディーズ・インベスターズ・サービスが格下げを検討する警戒領
域に近づいている。

 ソフトバンクの有利子負債は3月末で11兆9224億円あり、債務の対EBITDA(利払い・税金・ 減価償却
・償却控除前利益)倍率は5倍に上る。英社買収資金の約3兆3000億円は借り入れと手持ち現金で賄う
ので、債務はさらに膨らむ見込みだ。ムーディーズは同倍率が恒常的に5.5倍を超えれば、「格下げのト
リガー」になる可能性があるとしている。ムーディーズによる格付けは投機的水準の「Ba1」。

 ムーディーズの柳瀬志樹アナリストは英語でのインタビューで、ソフトバンクの同倍率が「想定より高く
なるため、信用力には比較的ネガティブな影響がある」と指摘。同倍率が5.5倍を超えても即座に格下げ
につながるわけではないものの、その状態が続けば格下げの可能性は増え、「ソフトバンクが今後数年
でレバレッジをいかに減らせるか、注視しなければならないだろう」という。

 同社は18年末までに1.7兆円超の社債償還を控えており、9月には資本性のある個人向け劣後債3500
億円を発行するほか、機関投資家向けに追加発行のマーケティングを行っている。同社の株価は上昇し、
債務保証コストのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)も低下しているものの、ブルームバーグ・デフォ
ルト・リスク・モデルによれば、信用力は悪化している。

ソフトバンク 膨らむ負債 5年で6倍に
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