◎インテリとタバコの組合せは、すっかり過去のイメージとなりました。
知的な人はタバコを吸わないか、あるいは禁煙は知力を守るために役立つようです。

◎「喫煙者は禁煙者よりIQが低い」と示す、2万人以上の健康な男性のデータを分析した研究結果が報告されました。

◎「低い知力が喫煙につながるのかもしれない」と、この研究者は言います。

◎すでに知性の高い人々ほど、喫煙をしない傾向があることが報告されています。
また、中年の喫煙者は、禁煙者より記憶力や論理力などを含む知力テストの成績が低いという研究結果もあります。

◎イスラエルのテルアビブ大学の神経学の教授のマーク・ウェイサー(Mark Weiser)氏らが、
Addiction誌2月号に発表しました。

◎この研究では、18〜21歳の2万221人の男性の、軍隊に入隊前と軍役中と退役後のデータを分析しました。

◎この男性の約28パーセントは1日あたり1本以上のタバコを吸いました。
3パーセントはが元の喫煙者の禁煙者で、68パーセントは全く喫煙の経験はないと報告しました。

◎分析の結果、平均的に、1日あたり1本以上のタバコを吸う人は、全くタバコを吸わない人より、IQが低くなることが分かりました。
喫煙本数が増加するほど、IQの低下が大きくなる傾向がありました。

◎非喫煙者のIQは平均で約101でした。
喫煙者のIQは平均で約94で非喫煙者より7ポイント低くくなりました。

◎特に 1日あたり1箱異常のタバコを吸った青年のIQはさらに低くて平均で約90でした。

◎この研究データは喫煙と低いIQの関係を示しますが、ほとんどの男性のIQは平均値の範囲でした。
精神障害ない健康な男性のIQスコアは84〜116です。

◎また、18歳までにタバコを吸わなかったが、18〜21歳で喫煙を始めた男性も、
全く喫煙経験のない男性と比べて、IQテストの得点が低くなりました。

◎「この結果をより重要にしたのは、双子を対象とした研究結果です」と、ウェイサー氏は言います。

◎この研究は双子でも喫煙の影響を測定しました。双子の片方だけが喫煙者の場合は、平均的に、タバコを吸わない側は、喫煙者より高いIQをもっていました。

◎双子は遺伝子を共有しているので、双子の研究は環境要因による影響を明確に示します。

◎「専門家は、一般に、喫煙者は問題のある地域で育って良い学校での教育をあまり受けていない傾向があると考えていますが、
この研究は、さまざまの社会経済的バックグラウンドをもつ人々を含んでいたので、重要な影響要因として社会経済学を除外できました」と、ウェイサー氏はのべています。

◎「IQが低い人々は、健康に関して総合的な意思決定能力が低い傾向があり、
喫煙などの依存症をもつ傾向があるようだ」と言います。