今春卒業した大学生の4月1日時点の就職率が前年比0.3ポイント増の97.6%だったことが19日、文部科学省と厚生労働省の調査でわかった。1997年の調査開始以来の過去最高を更新した。
文科省は「景気回復が続き、企業の求人が増えているため」と分析している。

就職率は就職希望者のうち、実際に仕事に就いた人の割合。全国の国公私立大62校を抽出し、4770人を調べた。
就職希望者の割合も0.7ポイント増の74.7%と過去最高を更新した。文科省の推計では、就職した卒業生は56万5100人で、前年から1.4%増えた。

就職率は11年に91.0%まで落ち込み、その後7年連続で上昇した。この2年は採用選考のスケジュールが年ごとに変わり、今春は開始時期が2カ月早まって6月になった。
ただ文科省は「直接的な影響はなかった」としている。

好調ぶりが目立つのが女性で、98.4%と0.4ポイント改善した。男性を1.5ポイント上回っている。男性を上回るのは5年連続で、就職率全体の上昇をけん引している。
文科省は「女性の社会進出を支えようという雰囲気も後押ししたのではないか」とみている。文系は97.3%、理系は98.7%だった。

一方、文科省が全国の高校で実施した調査では、今春卒業した高校生の3月末時点の就職率は0.3ポイント増の98.0%と、7年連続で改善した。

配信 2017/5/19 9:17

日本経済新聞
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