加害男性の両親「生きている限り、償いを」
毎日新聞:2017年5月23日 03時00分
http://mainichi.jp/articles/20170523/k00/00m/040/118000c

 神戸市で1997年に5人が殺傷された小学生連続殺傷事件で、土師(はせ)淳さん(当時11歳)殺害から20年となる24日を前に、加害男性(34)=当時14歳=の両親が弁護士を通じて毎日新聞などの書面取材に応じた。
男性の詳しい生活状況は分からないといい、遺族に「生きている限り、被害者の冥福を祈りながら償いたい」と謝罪した。

 主なやり取りは次の通り。

−−事件から20年が経過する。振り返って思うことは。

 被害者・遺族の方々には大変申し訳なく思っています。年月が流れるにつれ、怒り・悲しみ・憎悪が増していると思っています。

−−現在、加害男性はどんな様子か。

 本人からはたまに連絡が入り、体調、眠れているか、食事を取れているかについては聞いています。
用事がある時にはこちらから連絡することもありますが、どんな生活をしているか話してくれないので分かりません。
本当のことを言っているのかも分かりません。心配をかけないようにしているのではないかとも思います。

 これから先、長く時間がかかると思いますが、少しずついろいろな話をしていきたい。
本人自身が私たちに会いたいと思う気持ちになるまで、待ち続けたいと思います。

−−被害者・遺族に伝えたいことは。

 ただただ申し訳ないと思います。私たちは生きている限り、ご冥福を祈りながら償いをさせていただきたいと思っています。
−−男性は2015年、遺族に無断で手記を出版した。

 (遺族への連絡など)順序を間違えていると考えています。
大変、心を傷つけてしまい申し訳ございません。
まだ(男性から)何も聞けていないという思いがあり、何とか会って(手記を)出したことや事件の真相について聞きたい。
それがかなえば、ご遺族にもお伝えしたいと考えています。
ただ、少年院を退院してからの様子(男性は04年に医療少年院を仮退院)など一部が分かったとは思います。