だから共謀罪はダメなのだ 警察と司法はかくもデタラメ
2017年5月25日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/206068

「果たして先進国の姿なのか」。さすがに驚いたに違いない。
国連人権理事会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が、安倍首相あてに送った書簡で共謀罪法案の問題点をこう指摘していた。

〈警察や公安や情報機関の活動が、民主的な社会に準じたものか。
必要でも妥当でもない程度までプライバシー権を侵害しているかどうかについて懸念がある。
この懸念には、GPSや電子機器などの監視手法を警察が裁判所に要請した際の裁判所の力量も含まれる〉

〈警察に容疑者情報を得るための令状を求める広範な機会を法案が与えれば、プライバシー権への影響が懸念される〉

〈日本の裁判所は令状要請に容易に応じる傾向があるとされる。
2015年に警察が申請した通信傍受の請求はすべて裁判所によって認められた
(却下は3%以下)との情報がある〉

 ケナタッチ氏は国連人権理事会に任命されたプライバシーの権利に関する専門家だ。
そのケナタッチ氏が共謀罪法案について何よりも強い懸念を示したのが、警察や裁判所による“乱用”だった。

「正鵠を射た指摘です。共謀罪が成立すれば当局が任意捜査の段階から対象者の尾行、監視を日常的に行う可能性が高い。
しかも是非の判断は当局であって、乱用をチェックする仕組みは何もありません。
このため、恣意的に運用され、プライバシーが侵害される恐れがあるのではないか、と懸念したのです」
(日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士)