出産の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩ぶんべんをした妊産婦2人の死亡が大阪府と兵庫県の医療機関で相次いで判明し、日本産婦人科医会は、分娩経過や安全体制に問題がなかったか調査を始めた。

 再発防止に向け、両者を直接指導することも検討している。これ以外にも、他の医療機関の例も含め重大事故の情報が複数あり、同医会は順次調査する方針だ。

 死亡例があったのは、「老木レディスクリニック」(大阪府和泉市)と「母と子の上田病院」(神戸市中央区)。いずれも、背中にさし込んだ細い管を通じて麻酔薬を入れる「硬膜外麻酔」という方法の無痛分娩をした女性が死亡した。

 大阪の例は2017年1月、麻酔後に急変して呼吸困難となり、他の病院に搬送されたが1週間余りで死亡。兵庫の例は15年8月、麻酔をかけ陣痛促進剤を投与されて出産後、大出血して救急搬送されたが、寝たきりのまま16年7月に死亡した。

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2017年05月31日 08時46分 読売新聞
http://yomiuri.co.jp/national/20170531-OYT1T50010.html