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図 Bosch社が開発した48Vシステムに対応したBSG(スターター兼オルタネーター)

Bosch社が2019年に部品供給を開始
久米 秀尚 2017/06/08 17:00 1/2ページ
 ドイツBosch社は日本の自動車メーカーから、48Vのマイルドハイブリッド車(HEV)向け部品を受注した。2019年に量産を始めるという。Bosch社の日本法人(ボッシュ)が2017年6月8日に開いた記者会見で、同社社長のUdo Wolz氏が明かした。

 世界的に厳しくなる燃費規制(CO2排出量規制)を見据えて、自動車メーカーはパワートレーンの電動化を進めている。48VマイルドHEVシステムは、高電圧を使うストロングHEVシステムよりも車両への搭載が容易でコストを抑えられる特徴があり、欧州メーカーを中心に実用化が始まったところだ。

 ボッシュ技術参与兼ガソリンシステム事業部ガソリン技術統括ライト・ハイブリッド・プロジェクト室室長の上田昌則氏によると、「ガソリン車に比べてCO2排出量を最大で15%低減できる」という。モーターを追加するため、追加の駆動力を得られる利点もある。

欧州メーカー向けには2017年に量産開始

 Bosch社は、BSG(スターター兼オルタネーター)やDC-DCコンバーター、リチウムイオン電池、回生ブレーキシステムなど、48Vシステムに対応した部品を用意している(図)。欧州メーカー向けには2017年に量産化した。例えば、ドイツDaimler社が2017年内に部分改良して発売する高級セダン「Sクラス」に、48V駆動のBSGを供給する。

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 日本メーカーはこれまで、48VマイルドHEVと距離を置いてきた。トヨタ自動車やホンダなどはストロングHEVを推し、日本市場では既に市民権を得たと言ってよい。その他の日本メーカーも、軽自動車や小型車を中心に既存の12V電源を使ったマイルドHEVを導入済みである。

 それでも、世界の燃費規制の強化に合わせて、日本勢の中にも48VマイルドHEVを用意する必要があると判断した企業が出てきた。ボッシュの上田氏によると、「複数の日本メーカーと48VマイルドHEVの開発プロジェクトを進めている」という。

 48VマイルドHEVの普及が見込まれる市場は「欧州と中国が中心になる」(同氏)。Bosch社が日本メーカー向けに2019年に供給を開始するのは、BSGやDC-DCコンバーターなどの部品を組み合わせたシステムになる見込みだ。