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イエローケーキ(Yellowcake)は、ウラン鉱石精製の過程の濾過液から得られるウラン含量の高い粉末である。

鉱石の種類により様々な製法が用いられるが、通常は鉱石を粉末状にし、化学処理して刺激臭を持つ粗粉末を作る。

これは水に不溶で約80%の酸化ウランを含み、約2880℃で融解する。

鉱石は破砕機でパルプ状に粉砕され、その後さらに濃酸、アルカリまたは過酸化物溶液で処理される。
これを乾燥、濾過した後に残ったものがイエローケーキである。近年の機器で作ったイエローケーキは実際には茶色か黒色で、黄色ではない。
この名前は、初期の採鉱法によるものの色から名付けられた[1]。

当初、イエローケーキを構成する物質については同定されておらず、1970年にはアメリカ鉱山局は、
重ウラン酸アンモニウムまたは重ウラン酸ナトリウムから構成されていると考えていた。
組成は、浸出物及びその後の沈殿条件によって異なる。イエローケーキ中に同定された物質には、
水酸化ウラニル、硫酸ウラニル、ウラン酸ナトリウム、過酸化ウラニルや様々な酸化ウランである。
近年のイエローケーキは、通常重量比で70-90%の八酸化三ウランを含む。他の酸化物には、二酸化ウラン、三酸化ウランがある[2]。


イエローケーキ中のウランは、99%以上がウラン238であり、放射性は非常に低い。
ウラン238は、40億年以上と非常に長い半減期を持つため、放射線を放出する速度が非常に遅い。
この段階は、より放射性の強いウラン235が濃縮される前であり、そのため、この段階のウランは同位体比が天然と変わらず、天然と同じ放射性を持つ。放射性半減期が長いにも関わらず、生物学的半減期は短い。
イエローケーキは、天然のカリウム含有鉱物やコールマンランタンに用いられる酸化トリウムのガスマントルと同程度に無害である[3]。

イエローケーキの危険性は、核兵器作成能力を持つが核分裂材料を持たず核兵器作成の意思がある国による取得と関連する。
これの最も有名な例は、ニジェール疑惑である。

ウランが採鉱される全ての国でイエローケーキが作られている。

天然ウラン
ttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%84%B6%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%B3

これらの沈殿を脱水してフレーク状にしたものがイエローケーキである。上記の通り、
イエローケーキ中のウランは必ずしも六価ではないし、工程の温度条件等により必ずしも黄色ではなく、オレンジ〜緑〜茶褐色まで幅がある。
現在イエローケーキと呼ばれているのは、歴史的に最初の精錬工程で作られたウラン精鉱が鮮やかな黄色だったためである。

イエローケーキはドラム缶に詰められて転換工場へ出荷される。
ウラン鉱石はイエローケーキの状態で取引される。
国際取引ではイエローケーキに含まれるウランを八酸化三ウラン (U3O8) に換算して、1ポンド当りの価格で売買が行われる。