在日ロシア大使館は15日、日本のメディアや自衛隊関係者などを集めて説明会を開き、米国のミサイル防衛(MD)システムや、
日本が検討している新型迎撃ミサイルの導入に懸念を示した。

ビリチェーフスキー公使参事官は、米国がアラスカ州や東欧に配備したMDシステムに言及。ロシアの弾道ミサイルを米国が
迎撃する模擬実験の映像を紹介しながら、「米国は北朝鮮とイランのミサイルの脅威を口実に、ロシアの弾道ミサイルを
破壊するための戦略ミサイルを展開させ、抑止力のバランスを崩している」と訴えた。

同公使参事官は、在韓米軍が配備した新型迎撃ミサイル「THAAD(サード)」も、ロシアと中国の懸念を招いていると指摘。
さらに、日本が陸上配備型ミサイル「イージス・アショア」またはサードの導入に向けた検討を進めていることに触れ、「日本が米国の
グローバル(地球規模)なミサイル防衛システムの一部になる前に、ロシアの立場、懸念を説明した」と、説明会を開いた理由を語った。

説明会には日本とロシアの報道陣や専門家、自衛隊関係者などが出席した。

日本の政府関係者によると、ロシア側は閣僚級の会談から事務レベルの協議まで、あらゆる機会をとらえてMD配備に対する懸念を
表明しているという。日ロが今年3月に東京で防衛相会談を開いた際も、ロシア側は日本側に懸念を伝達。稲田朋美防衛相は、
北朝鮮の弾道ミサイル発射を挙げながら、自国の防衛に必要な防御的なシステムであるなどと説明した。

http://jp.reuters.com/article/russia-us-japan-missiledefense-idJPKBN1960TW