厚生労働省は十六日、二〇一六年度に各都道府県の労働局などに寄せられた労働相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関するものが約七万一千件に上り、相談内容別で五年連続最多となったと発表した。前年度より約四千件増加した。全体の相談件数は約二十五万五千件で、約一万件増加した。
 厚労省によると、いじめ以外に多かったのは、辞めたくても辞めさせてもらえないといった「自己都合退職」が約四万件、「解雇」約三万七千件など。「内定取り消し」は約二千件だった。
 厚労省の担当者は「職場におけるいじめやパワハラに対する社会的関心が高まったことで、積極的に相談するようになり、泣き寝入りするケースが減ったのではないか」と分析している。
 労働相談は、労使間のトラブルの未然防止や解決を図る「個別労働紛争解決制度」の一つで、各労働局や労働基準監督署で専門の相談員が対応している。制度には労働相談のほか、労働局長が解決の方向性を示す「助言・指導」、労働局に設置されている紛争調整委員会が話し合いを促す「あっせん」がある。
 一六年度の助言・指導の申し出は約九千件、あっせん申請は約五千百件だった。

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