中国、ネット上の言論統制を強化 動画配信サービスの停止命令 ウェイボや香港のサイトなどに

 【北京=西見由章】中国国家新聞出版放送総局は22日、中国版ツイッター「新浪微博(ウェイボ)」や香港のフェニックステレビが運営するニュースサイトなどに対して動画配信サービスの停止を命じた。

 これらのサイトは動画配信の関連許可証を得ないまま、「国の規定に適合しない政治に関する番組」や「マイナス面を宣伝する社会評論番組」などを動画で配信したとしている。今年秋の中国共産党大会を控え、インターネット上の言論統制を強める姿勢が一層鮮明となった。

 ほかにサービスを停止したのは中国の動画共有サイト「AcFun」など。同総局は「インターネット動画サービス管理規定」に基づいてこれらのサイトの「全面的な改善」を行い、インターネット利用者に「さわやかで明快なインターネット空間」をつくりだすと強調している。

 同総局は昨年9月、インターネットによる動画中継を行っているサイトに「法に基づいた動画中継サービス」の実施を要求するなど管理を強化。今年5月には、ネット大手の騰訊(テンセント)のサイトが国の規定に違反して政治社会に関する番組や中継ニュース番組を配信し、大量に「低俗な番組」を放送したとして「全面的な改善と処罰」を実施したとしている。

 中国共産党はネット上の言論が体制維持への脅威になるとして統制を強めている。今月1日にはインターネット空間での「社会主義の核心的価値観」の宣伝推進などを掲げた「サイバーセキュリティー法」のほか、アプリやブログなどを通じてニュース提供サービスを行う際に許可取得を義務付けた改正版「ネットニュース情報サービス管理規定」が施行された。

産経ニュース 2017.6.22 23:39
http://www.sankei.com/smp/world/news/170622/wor1706220061-s1.html