小林麻央さんの命奪った乳がん 意外と知らない基礎知識
dot.:2017/6/24 07:00
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浸潤がんと非浸潤がん

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主なリンパ節の位置

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乳がんのステージ分類

 小林麻央さん(34)の命を奪った乳がんとはどんな病気なのか。

 乳房には母乳(乳汁)をつくる「小葉」と乳汁を乳頭まで運ぶ「乳管」からなる「乳腺組織」があり、それらを間質組織が支えている。
乳がんは、この乳腺組織に発生するがんだ。

 乳房を正面から見て、乳頭を中心にして上下と左右の四つに分割すると、最も乳がんができやすいのは、わきの下に近い外側の上部で、約半数を占める。
次に多いのが、鎖骨に近い乳房の内側上部だ。

 乳がんは乳管内にとどまっている「非浸潤がん」と乳管の外まで広がっている「浸潤がん」に大別される。
非浸潤がんは血管やリンパ管に入り込んでいない早期がんで、がんの進行度を示す「病期」は、0期に分類される。
この場合手術で治る可能性が高い。

 しかし非浸潤がんを放置すると多くの場合、がんは乳管の壁を破って増殖していき、浸潤がんになる。
やがてリンパ管や血管に入り込み、全身に転移を起こす。
最初に転移しやすいのが、わきの下にある「腋窩リンパ節」だ。
さらに乳房から離れた肺や肝臓、骨などに転移していく。
病期はがんが乳房の中でどれくらいの大きさか、リンパ節転移があるか、乳房から離れた臓器への転移があるか、によって決まってくる。
浸潤がんでもがんの大きさが2センチ以下なら、治療で8割以上が治る。

 乳がんの特徴の一つは、ほかのがんと比べると増殖のスピードが比較的ゆっくりな場合が多いということだ。
乳がんが発生してからしこりとして認識されるまでには、何年もかかる。

■主な症状はしこり、分泌物、ただれ

 乳管内でがんが増殖すると、乳腺組織が腫れてしこりとなる。
また、がん細胞から出血すると乳頭から血液の混じった黄色や茶褐色の分泌液が出ることがある。

 浸潤がんの場合、皮膚のくぼみやひきつれ、乳頭の陥没が見られることがあり、まれに痛みも生じる。
がんは塊をつくる際に周囲の組織を引き込みながら縮んで、硬くなる性質があるためだ。

 乳がんの症状といえばしこりが代表的だが、がんが進行してもしこりをつくらないタイプの乳がんもある。
一つが「炎症性乳がん」で、皮膚が赤く腫れるのが特徴だ。
毛穴がオレンジの皮のように目立つようになり、乳房が全体的に大きくなる。
もう一つが「パジェット病」で、乳頭が炎症を起こし、ただれていく。
どちらも発症率が低い特殊な乳がんだ。

 こうしたがんの症状はいずれも「乳腺症」や「線維腺腫」「乳腺炎」など良性の病気でも起こるもので、乳がんとの鑑別が難しいこともある。

(監修:がん研有明病院乳腺センター乳腺外科部長・岩瀬拓士医師)

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