湿気問題の原因について報道している。それによれば、ワシントン州の工場で、
インフレーターに入れるガス発生剤の分量を自動チェックするシステムのスイッチが
切られていたことや、メキシコの工場で部品乾燥用の除湿器のスイッチが切られて
いたことなどが報告されている。

 これらが事実とすれば、設計時に意図した生産手順が守られていないことが
原因ということになる。マーチのケースも不具合に至る理由はやはり生産時の
ミスであり、どちらも生産現場の人的要因である。リスクヘッジのために用意
された自動チェック機の電源を切ったり、乾燥器を止めたりすれば、製品に
不具合が発生することは普通なら容易に想像できる。直截的な言い方をすれば
労働者に質的問題があったのではないかと考えられるのである。

 生産管理技術者はまさか現場が、ヒューマンエラーに対する各種補完システム
の電源を勝手に落とすことまで予見できなかったのではないか