高級テイラーメイドイヤホンの『Just ear』は、ソニーエンジニアリング社が製造販売しているカスタムIEMブランドだ。
ソニーの元“耳型職人”と呼ばれ、ヘッドホンの名機を世に送り出した松尾伴大氏が開発責任者を務めることで話題となった。

「Just earには『XJE-MH1』と『XJE-MH2』の2種類があります。
細かいサウンドチューニングを施して、自分の理想のサウンドにセットアップする音質調整モデルの1が30万円。
基本3種のトーンがプリセットされた2が20万円です。海外製の高級スピーカー並みの値段ですが、これが大ヒット商品になっています。
よりよい音を楽しみたいユーザーをターゲットに、“丁寧な工程と独自の技術”に支えられた“究極の装着感”と“好みの音質に調整することができる”というのがアピールポイントで、他製品とは圧倒的な差別化を図っています」(経済ライター)

Just earは、現在のソニーが失って久しい高度なマーケティングを実行しているという。

■両立が難しい2つのサービスを同時に高める

「最高品質を追求しつつ、顧客の個別のニーズにも応えるということ実行しているのです。
つまり、最高品質であることと、個別ニーズに応えることを両立した戦略を取っている。
これは、非常に強力ですし、本来できないことでした」(ブランドジャーナリスト)

アップル社のiPhoneは最高品質を追求することで競合における優位性を実現しているが、iPhoneはユーザーの個別ニーズにひとつひとつ応えているわけではない。

「個別ニーズに応えるということは、非常に手間がかかるので、Just earのように最高品質を追求しながら個別ニーズに応えるということは簡単ではありません。
それを両立させたのは『ウォークマン』以来と言えるでしょう」(同・ジャーナリスト)

今年の1月、ネットオークションにXJE-MH2が出品され、ちょっとした騒ぎになった。
何が問題にだったかというと、出品されたのは“試聴機”だったのだ。
高価な商品であるために、試聴機のレンタルサービスがあり、その盗品ではないかという憶測が広がった。

いずれにしても、そんなに高価なものを耳に装着していたら、色々な意味で“重くないのか”と心配になってしまう。

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