ぼったくり防止条例施行 入店後料金明示義務づけ
毎日新聞:2017年7月1日 12時06分
http://mainichi.jp/articles/20170701/k00/00e/040/209000c

 飲食店が客に不当な高額料金を請求することを防ぐため、愛知県の「ぼったくり防止条例」が1日施行された。
条例に違反した店は行政処分を受け、店名が県警などのホームページ(HP)で公表される。
さらに被害の集中する名古屋市の繁華街・栄地区の一部に「特別区域」を設け、行政処分を経ないで適用できる罰則を定めた。
県警は条例を踏まえ、取り締まりを強化する。
1日未明、さっそく条例を適用して店員が現行犯逮捕された。

 条例はキャバクラやスナック、クラブなど客に接待を伴って酒類を提供する県内全域の飲食店が対象。
店内の見やすい場所に料金表示をし、入店直後の客に料金表を示すよう義務づけた。
実際より著しく安いと思わせる宣伝や乱暴な言動での料金取り立ても禁じた。
店が入るビルの所有者にも適正な管理に努めるよう求めた。

 ぼったくり被害者の大半は客引きに声をかけられて入店しているという。
「飲み放題で70分5000円」と勧誘されながら1時間で約16万円を請求されたり、一晩で350万円を請求されたりするケースがあった。
このため条例は店に対し、違法な客引きが連れてきた客の入店を禁じた。

 条例に違反した店の経営者に対しては、県公安委員会が是正を指示し、従わない場合は6カ月以内の営業停止命令を出す。
命令に違反すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金となる。

 県警によると、ぼったくりの被害は栄地区に集中している。
このため条例は、名古屋市中区の栄3〜5丁目の一部と錦3丁目を「特別区域」に指定した。
特別区域の店で
▽実際より著しく安いと思わせる料金表示▽不当な勧誘・宣伝
▽乱暴な料金取り立て▽客引きを受けた客の受け入れ−−をした者は、6月以下の懲役か50万円以下の罰金が科される。
これらの行為を店がすると知りながら場所を提供したビル所有者にも同じ刑罰を科す。

 同種の条例は東京都、大阪府、福岡県、北海道などで既に施行されている。