衆参両院は3日、国会議員の2016年分の所得に関する報告書を公開した。対象は661人。1人当たりの平均所得は2412万円で、前年公開時から143万円増えた。議員報酬増も影響し、2年ぶりの増加となった。トップは自民党の武見敬三参院議員で4億7157万円。武見氏を含めた上位3人の所得は1億円以上増えた。14、15年と首位だった自民党の渡辺美樹参院議員は、5134万円で19位となった。

 武見氏は、日本医師会会長として政界に大きな影響力を及ぼした故・太郎氏の三男。東京都内の高級住宅地に賃貸用として所有していたマンションを売却するなどした。15年の所得は3018万円だった。

 2位は自民党の赤枝恒雄衆院議員で2億4222万円、3位は同党の左藤章衆院議員で1億3730万円。いずれも不動産を売却した。

 女性の報告は76人。最高は民進党の阿部知子衆院議員で3060万円だったが、全体では49位。前年女性首位の稲田朋美防衛相(自民党)は2935万円で2番目だった。

 政党別の平均は自由党が2867万円でトップ。自民党2585万円、日本維新の会2454万円と続いた。民進党は2136万円で8党中5位だった。

 国会議員資産公開法に基づき、報告書の公開対象は昨年1年間に在職した国会議員。提出期間前に死去した白石徹氏を除き衆院468人、参院193人が提出した。衆参別の平均は衆院2401万円、参院2438万円だった。

 任期開始日以降の16年中に増えた不動産や預貯金などを記載する資産補充報告書は180人が提出。17年4月1日時点で報酬を得ている企業・団体を届けた議員は172人だった。〔共同〕

配信 2017/7/3 10:00
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H01_T00C17A7EAF000/