【特集】あふれるフェイク、真実はどこ? / 「報道しない自由」の壁

「フェイク(偽)ニュース」「ポスト・トゥルース(真実後)」といった言葉が叫ばれている。
大方のメディアの予測に反しトランプ氏が勝利した昨年の米大統領選のころから使われ出した。
日本でも、インターネットではデマや真偽不明の情報が拡散する状況が指摘され、大手紙や
地上波テレビといった既存メディアの信頼性も大きく揺らいでいる。「事実(ファクト)」、
「真実」はどこにあるのか。

▽二つの沖縄
 6月中旬、スイス・ジュネーブで開催されていた国連人権理事会で、沖縄の反米軍基地運動に
関して、2人の日本人が正反対の主張を行った。
 14日、「沖縄の真実を伝える会」代表でネットニュースのキャスターを務める我那覇真子さん
(27)は「沖縄では地元住民の人権と表現の自由が外から来た基地反対活動家や偏向したメディアに
脅かされている」とスピーチ。翌日は「沖縄平和運動センター」の山城博治議長(64)が「日本政府は
(反基地活動を行っている)市民を弾圧し暴力的に排除」していると訴えた。
 どちらが本当なのか。我那覇さんの主張は、ネットや一部の新聞が伝えたがごく少数。大半の
メディアは山城議長の訴えに紙面を割いた。沖縄の基地問題に関する報道では、反対派の立場により
軸足を置くというのが、既存メディアのスタンスとなっていることは否めない。

▽情報操作
 反基地の抗議活動が一部で過激になっている面があるのは事実だ。警察庁は、反基地運動に
過激派が入り込んでいることを確認しており、公務執行妨害などで数十人の逮捕者が出ている。
ネットでは、山城議長とされる人物らが「抗議」と称し沖縄防衛局職員を暴力的に扱う映像が
出回っている。
 ネットが普及する以前、大手メディアが伝えたことが「真実」として流通する時代が長く続いた。
しかし我那覇さんは「主流メディアは、自分たちの立場に不都合なことは報道しない」と話し、
「報道しない自由」と呼ばれる問題を指摘。「でも、今は個人がリアルタイムで、生の情報を
発信し対抗できる。情報操作はもう通用しない」と言い切った。

http://www.47news.jp/47topics/addon/2017/07/292172.html
以上