諏訪湖の遊覧船「おやこはくちょう丸」にツバメが巣を掛け、子育てに大忙しだ。7日は羽毛が生え替わったひなが羽ばたきの練習。巣立ちを間近に、白鳥の胸を借りてすくすく成長するツバメ4羽を、乗組員や観光客が優しく見守っている。

巣があるのは、普段使っていない右舷前方の出入り口上。船長の後藤智明さん(49)によると、5月に親鳥が泥など巣の材料を運んでくるようになった。
雨の日や冷え込んだ日は、親鳥も「乗船」して卵を温めていたという。

「動くものにツバメが巣を掛けるのは珍しいが、遊覧船は同じ場所に戻ってくると学習したんでしょう」と、日本野鳥の会諏訪支部長の林正敏さん(73)。
ただし、食べ盛りのひなは1日8回、船が湖に出るたび約30分間は餌はお預けに。その分、乗り場に戻ると親鳥はひっきりなしにトンボなどを運んでいる。

おやこはくちょう丸では、10年ほど前にもツバメが子育てしたことがある。
久しぶりの営巣に、後藤さんは「ツバメの巣は縁起が良いと聞くので、巣立ちまで“乗船料”はいただきません」。

「おやこはくちょう丸」の巣に餌を運ぶ親ツバメ(手前)。諏訪湖遊覧から戻ってきた子ツバメたちはおかなぺこぺこ
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配信 7月8日
信毎Web
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